5月になると夏のような暑い気温の日が多くなってきます。
まだ冷房をつけるには早い時期ですが、そんなときに活躍するのが網戸です。
網戸とは、室内に虫が入り込まないようにするために網を張った防虫用の建具のことで、窓に網戸を取り付けることで、虫の侵入を防ぎながら外からの涼しい風を取り込むことができます。
今回ご紹介する「ポリエステル製の網戸」は世界的にみても多く生産されている人気の素材の網戸になります。
この記事では、ポリエステル製の網戸がおすすめな理由や特徴、他の網戸との違い、張り替え方法(DIY or 専門店へ依頼)などについて詳しく説明していきます。夏になる前に網戸の張り替えをしたいと考えている方や、張り替えにはどんな素材の網戸がいいのか迷っている方、ご自身で網戸の張替えを行うか専門店に依頼するか迷われてる方にぴったりの記事になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ポリエステル製の網戸とは?
『ポリエステル』とは、世界で最も生産量が多い合成繊維。
主に石油など化学的に合成された原料だけで製造される繊維で一般的に、ペットボトルの原料として良く知られているPTE(ポリエチレンテレフタレート)で作られています。
『ポリエステル』は日本では1958年に登場し、現在では国内の合成繊維の生産量の約50%を占めています。「ナイロン」の次に強度や摩耗にとても強く、弾力性に優れた素材です。
そのポリエステルで作られた網戸は、日本で最も一般的な網戸の素材である「ポリプロピレン」よりも価格は高くなりますが、ひとつひとつの線が太く丈夫で厚みがあるため強度に優れており、犬や猫などペットの引っかきでは簡単に破れない素材になります
網戸の種類はポリエステル・ポリプロピレンの他にも種類がいくつかありますので、後ほどそれぞれの素材の特徴や違いについてもご紹介します。
網戸の張り替えのタイミングは?
網戸の張り替えは、一般的に4〜5年と言われています。
網戸で以下の項目に該当している場合は網戸本来の役割を果たせていないため、早めに張り替えをすることオススメいたします。
- 網戸をしているのに室内に虫が入ってくる
- 網戸のネットがたるんでいる
- 網戸のネットに穴が開いていたり破れたりしている
- モヘアが劣化している
- 戸車が壊れている
- 網戸のサッシ(フレーム/骨組み)がグラグラしている
DIYで網戸の応急処置もできますが、その場しのぎの処置のため、放置しておくと網戸本体ごと取り替えなければならいケースも出てきます。
そのような場合は、DIYではなく、網戸の張替え専門店に依頼することをオススメします。
網戸が劣化する原因とは何か?
網戸の耐用年数は通常4〜10年と言われています。
しかし、網戸が取り付けられている場所や環境、使い方次第で網戸の劣化度合いがかわってきますので一概には言えません。ここでは、網戸が劣化する原因がどのようなものがあるのか具体的にご説明します。
① 紫外線の影響
紫外線による影響。網戸が劣化する原因の半分以上は紫外線によるものだと言われています。
紫外線は人体に悪影響を及ぼすことは良く知られていますが、実は網戸にも悪影響を及ぼします。網戸は外に設置してあるため、常に紫外線を浴びる環境にあるります。特に南向きの窓に設置されている網戸は日当たりが良いためさらに劣化が早まってしまいます。
② 風雨の影響
風による影響。窓の外にある網戸は、常に自然災害の影響を受けやすい状況にあります。
特に台風は家の一部を破壊するほどの威力があるので、網戸が壊れた場合には交換せざるを得ません。そして雨は酸性であるため、アルミサッシが腐食する原因にもなります。
③ 車の排気ガスの影響
車から出る排気ガスも網戸が劣化する原因のひとつです。
排気ガスは、環境や人体に影響を及ぼすことでよく知られますが、網戸も排気ガスが原因で劣化が進んでしまいます。交通量が少ない道路に面していれば、さほどこの影響は受けません。しかし、交通量が多い道路に面し、毎日大量の排気ガスを浴びている網戸は、劣化が進行していきます。
④ ペットにより網戸の引っかき・子供の衝突
ペットが爪で網戸を引っかいたり、子供が遊んでぶつかってしまったりするのも劣化の原因の1つになります。
網戸の網は、そこまで衝撃に強く作られていないため、犬や猫などペットの爪が当たってやぶれたり、お子様が誤ってぶつかったりすることで、たるみや穴が生じてしまうこともあります。
⑤経年劣化
経年劣化も、原因のひとつになります。網戸の耐用年数は一般的に4〜10年程度と言われています。
使用条件や使用環境がよく、この年数が経っても継続して使われているご家庭ももちろんあります。しかしながら、経年劣化した網戸は本来の役割を果たせなくなっていたり、壊れやすくなっていたりするケースがほとんどです。
網戸の種類や特徴
こちらでは、網戸の種類や特徴を解説していきます。
網戸の網目のことを「メッシュ」と言います。
網目の大きさはいくつかあり、それぞれメリットやデメリットがありますので、下記の表をご覧ください。
メッシュ | 網目の大きさ | メリット・デメリット |
18メッシュ | 1.15㎜ | ・通気性が良い ・コバエなどの小さな虫が侵入する可能性がある | ・一般的に良く使われている網戸で値段が安い
20メッシュ | 1.03㎜ | ・通気性が良い ・コバエなどの小さな虫が侵入する可能性がある | ・一般的に良く使われている網戸で値段が安い
24メッシュ | 0.84㎜ | ・虫の侵入を防ぐ効果も高い ・5種類の中でバランスが取れており1番おすすめ | ・通気性が良い
30メッシュ | 0.67㎜ | ・通気性が悪い | ・網目はとても細かく虫の侵入を防ぐ
40メッシュ | 0.64㎜ | ・通気性が悪い | ・網目はとても細かく虫の侵入を防ぐ
網戸の素材別の特徴
続いて、網戸にはポリエステルのほかにも素材がいくつかあるので、下記の比較表を作成しましたのでご覧ください。
素材 | 特徴 | メリット | デメリット |
ポリプロピレン | 最も一般的に使われている合成樹脂 | ・DIYでの張り替えに向いている(カッターで切りやすいため) ・軽量 ・熱に強い ・加工が簡単 | ・リーズナブル・耐久性が低い | ・紫外線で劣化しやすい
グラスファイバー | ガラス繊維と塩化ビニルでできた網 | ・紫外線に強い ・ほつれ、巻き癖、たるみが出にくい ・デザイン性が高い ・張り替えしやすい ・海外で最も一般的な網戸 | ・熱に強い・バリが手指に刺さると痛い | ・摩擦したときにガラス樹脂のバリが出やすい
ステンレス | 鉄・クロム・ニッケルで作られた合金 | ・汚れがつきにくい ・15~20年ほど持つ ・サビにくい ・メンテナンスが最小限で済む ・防犯やペット対策に向いている(破れにくいため) | ・丈夫で耐久性が高い・入手しにくい(流通量が少ないため) ・重量がある | ・DIYでの張り替えには向いていない(網が硬いため)
サランネット | 高分子化合物で作られた網 | ・水をほとんど吸収しない ・手に入れやすい ・摩擦に強い | ・耐薬品性を持っているポリプロピレンと比較すると対候性が悪い(風雨・温度変化・太陽光など) |
ポリエステル製の網戸の特徴
素材 | 価格 | 強度 | 入手 |
ポリエステル | ポリプロピレンとグラスファイバーの中間 | 〇 | 〇 |
ポリプロピレン | 安価 | △ | 〇 |
グラスファイバー | 高価 | ◎ | △ |
ポリエステル製の網戸はポリプロピレン製の網戸よりも線が太く、ネットに弾力と厚みがあり、犬や猫などのペットによる引っかきにも耐えられる耐久性を持ち合わせています。
■ポリエステル製の網戸 設置オススメ場所
- 犬や猫などのペットを飼われているお宅
- 紫外線が強い南向きの部屋の窓
ポリプロピレンより2倍の強度があるとされているのが「グラスファイバー」。こちらはポリエステルよりも耐久性が高く、タバコの火がついても穴が開かないほどの耐久性があります。
■グラスファイバー製の網戸 設置オススメ場所
- キッチン周りの窓や勝手口の網戸
- 紫外線が強い西日が差し込みやすい部屋の窓
ただし、グラスファイバーはポリエステルに比べると更に高価であり、商品自体があまり多くありません。
そのためメッシュの種類やサイズが選択しにくいデメリットがあります。
このようなことから、グラスファイバーの方が耐久性や機能性が優れていますが、ポリエステル製の網戸の方がより価格・強度・入手のしやすさのバランスが取れているため人気が高いことが伺えます。
以上のことを踏まえポリエステル製の網戸は、予算はあまりかけずに一般的な普通の網戸(ポリプロピレン製網戸)より少し質が良い素材で張り替えをしたい方や、まずは中間のグレードの網戸で試して次回の張り替えの際によりいい網戸にしようと考えている方に適した網戸の素材と言えます。
ポリエステル製網戸の商品をご紹介(4つ)
こちらではポリエステル製網戸の商品を4つご紹介します。DIYをする方はぜひ参考にしてみてください。
① ダイオ化成 防虫網 クラウンネット 24メッシュ
メッシュの中で一番バランスが良い24メッシュを使った網戸用張り替え防虫ネットです。
長さも6mあるので、複数の網戸を張り替えるのにとても便利。
しなやかで張りやすい素材のため、DIYに最適な商品です。
② ダイオ化成 網戸張り替え用 スーパーマジックネット
こちらの網戸は防虫効果はもちろん、外側が銀、内側が黒で外からの視線を遮断する目隠し効果のある網戸張り替え用のネットになります。
外部からは中が見えにくいですが、室内からは外がはっきりと見える不思議なマジック効果があります。
網目は一番バランスが良い人気の24メッシュになります。オススメです。
③ ダイオ化成 網戸用犬猫出入り口(猫・小型犬用)
こちらは網戸を閉めていても、犬や猫などのペットが自由に部屋を出入りすることができる専用網戸になります。
軽い力で開閉でき、磁石の力で自然にぴったりと閉まります。
ハサミ・ドライバー・カッターのみで簡単に取り付けることができるのがDIYをされる方にはとても魅力的な商品となります。
④ テクノエイム 遮光/遮熱メッシュ
こちらは、遮光と遮熱が同時にできる両面テープで貼るタイプの網(ネット)になります。窓に後付けで網戸が張れない方などは、このような両面テープで貼るタイプの網を活用することオススメいたします。
こちらの商品は、表面にアルミ加工がしてあり、暑い夏の日差しをカットしてくれます。
また、遮熱効果は25%もあるので、室内の温度上昇を抑え冷房も効率よく効くようになり、省エネ効果も嬉しいポイントです。
ポリエステル製網戸の張り替えはDIYでもできる?
ポリエステル製の網戸の張り替えは、ご自身でDIYすること可能です。しかし、網戸の張り替えは網戸を外して置いておく場所の確保や、溝に溜まった汚れの掃除・張り替え用の網のカット・必要な道具の準備など、時間や手間が意外とかかってしまいます。また、網戸のサイズはどれを選べはいいのか、正確な寸法を測るにはどうしたら良いかなど実際に初めて張り替えを行う方は多くのことで迷ってしまう場合があります。
このようなことを全体的に考慮すると、ポリエステル製の網戸の張替えは専門店に依頼するのが一番確実な方法かもしれません。
網戸のDIYでの張り替え方法については別記事でもご紹介していますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
ポリエステル製網戸の張り替えは専門店がおすすめ
ポリエステル製網戸の張り替えを業者に依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 時間や手間がかからない
- 必要な道具の準備がいらない
- 専門店ならではのキレイな仕上がり
- 網戸サイズ選びに困らない
- 張り替えの際の危険がない
- アフターサービスが充実している ※お店により保障内容が異なりますので注意
まとめ
今回は、以下内容について詳しくご紹介しました。
- ポリエステル製の網戸について特徴
- 他の素材の網戸との違い
- 網戸が劣化する原因
- ポリエステル製網戸の商品
- 網戸の張り替えについて
ポリエステル製の網戸は、価格・強度・入手のしやすさなど全てにおいてバランスがいいため人気があることがわかりました。
そして、ポリエステル製の網戸は、以下のような特徴やメリットがあります。
- ペットに破られない
- 紫外線に強い
- ステンレスほど重くはないが丈夫
- 万が一破れても穴が広がりにくい
- 中価格帯の商品
結果として、ポリエステル製の網戸はあまり張り替えに値段はかけたくないけれど、少し良い網戸がいいと考えている方や、次の張り替えの時期にさらに良い素材の網戸にしようと思っている方におすすめの素材になります。
また、ポリエステル製の網戸を試してみて良さを実感していただき、次の張り替え時にはもっといい素材の網戸に張り替えたい、という方はグラスファイバーの素材にするのもオススメです。
グラスファイバーはポリエステルよりは高価ですが、以下のような特徴・メリットがあります。
- 熱に強い(タバコの火などがついても穴が開かない)
- 紫外線に強い
- ほつれや巻き癖・たるみが出にくい
- デザイン性が高い
ただし、グラスファイバー製の網戸に張替えるのは、DIYでは難しいため、必ず網戸の張替え専門店に依頼するようにしましょう。
本格的な夏前に網戸の張り替えをしたいと考えている方は、是非ご自分にあった網戸の素材で張り替えを検討してみてください。
わからない場合は、網戸の張替え専門店にお問い合わせ・ご相談してみて下さい。