【窓の断熱対策 – 前編 – 】窓が寒いと起こるトラブル_暖房効果をより高めるための10個の簡単な断熱対策とは!?

本格的に寒い時期に突入したので、暖房やストーブなどを使い始めた方も多いかと思います。しかしずっと暖房をつけているのに部屋が寒かったり、暖房器具を使うのをやめるとすぐに部屋の温度が下がってしまうと感じている方もいるのではないでしょうか?

暖房器具を使用していても部屋の温度が上がらない、暖房器具を使うのを止めると部屋の温度がすぐに下がってしまう原因は「窓」にあります。

断熱対策をしないままでいるとトラブルも起こりかねません。

そこで今回は、窓周辺が寒い原因や簡単にご自身でもできる断熱対策についてもご紹介していきます。この冬を暖かく快適に過ごしたい方はぜひ参考にしていただけますと幸いです。

目次

窓近くはなぜ寒いのか?

住宅のなかで一番熱が逃げやすい場所はどこなのかご存じでしょうか?

寒くなってくると外の冷気が窓や外壁・屋根などを冷やし、部屋の中までも寒くなってしまいますが、特に冷えやすい場所は「窓」です。これは、窓が外の冷気に直接さらされているというのが理由になります。

エアコンやストーブなどで部屋を暖めているつもりでも、窓にすき間が空いていたりすると暖かい空気は外に逃げ、冷たい空気は中に入り込んでしまいます。暖かい空気の流出の約60%は窓からというデータもあり、窓の断熱対策をしないままでいると、部屋はいつまでも暖まりません。

引用元:省エネポータルサイト様

また、冬になると、部屋を暖めているのに足元は冷たいという経験をしたことがある方もいるかもしれません。

これは、冷たい空気は下に溜まり暖かい空気は上に溜まる、という特性によるからです。

よって、窓ガラスで冷やされた空気が足元にたまるので、暖房器具を使用しても足元は冷たいままになってしまいます。これを「コールドドラフト現象」と呼びます。

引用:省エネポータルサイト様

窓が寒いと起こるトラブル

窓周りが寒いとさまざまなトラブルが起こりかねません。こちらでは、窓が寒いと起こりうるトラブルをお伝えしていきます。

トラブル①:結露(けつろ)

結露とは?

窓についた水滴のことを指します。
結露は室内の暖かい空気に含まれる水蒸気が冷され水滴に変わり、窓などに付着する現象のことです。

結露は、朝晩の温度差が大きいと起こりやすかったり、室内外の温度差が大きいところで起こりやすくなります。

冷たい飲み物が注がれたグラスの表面についた水滴や、窓ガラスに指で文字が書けるのを見たことがある方は多いと思いますが、それらも結露による現象です。また、以下も結露による現象になります。

  • 寒い冬の朝、窓ガラスに水滴がたくさんついている
  • 浴室の天井に水滴が溜まり落ちてくる
  • マスクをしてメガネをかけると曇ることがある
  • 夕方まで洗濯物を干すと湿っている

トラブル②:カビやダニが発生しやすくなる

結露を放置しておくと、窓枠やサッシにカビやダニが発生しやすくなります。カビやダニが発生すると、

  • アトピー性皮膚炎
  • シックハウス症候群
  • 喘息

などの発症につながる可能性があります。

このように、結露を放置しておくと人体にも影響を及ぼしかねません。詳しい結露対策については別記事で解説していますので、気になる方はご覧ください。

トラブル③:熱割れ(ねつわれ)

熱割れとは?

ガラスの表面に温度差が生じることで起きるひび割れのことを熱割れと言います。
ガラスは熱を吸い込み膨らむという特徴があります。そのため、ガラスの温かい部分と冷たい部分の差が生まれ、ひびが入ってしまいます。

熱割れは冬や夏など寒暖差が激しい時期に起こりやすく、特に冬の晴れた日の午前中に起こりやすいようです。

また、熱割れは完全に防ぐことがとても難しい現象ですが、窓ガラス周りの温度を調節したり環境を整えたりすることである程度熱割れを防止することができます。

今すぐ自分でもできる窓の10個のDIY断熱対策

窓の断熱対策というと、自分で行うのは難しいと思われるかもしれません。しかし、自分でもできる窓の寒さ対策はいくつかありますのでこちらで解説していきます。

断熱対策①:断熱カーテンの使用

断熱カーテンは特殊な裏地が施してあるので、室内と室外のどちらからも熱を伝わりにくくしてくれます。

窓はもちろん、冷えやすい廊下や階段などの冷気対策にもぴったりで、結露対策やエアコン代の節約にも役立ちます。

断熱カーテンの効果を最大限に発揮するためのポイントは、窓側と室内側ですき間を作らないようにし、家具や床にカーテンが触れないような丈のものがおすすめです。

また、保温性が高く遮熱効果も高いものを選ぶと夏でも冬でも快適に過ごすことができます。

そして、ひとえに断熱カーテンといっても種類がたくさんあることがわかりましたので、選び方の参考になるよう別記事で種類や効果など違いを詳しくご紹介していきます。

断熱対策②:断熱テープを貼る

断熱テープとは、熱が伝わるのを抑制してくれるテープのことを指します。断熱テープを貼ることで、暖房の温かい空気が外に逃げていかず、外の熱気や冷気の侵入を防止することができます。

断熱テープはホームセンターや100均でも手軽に入手でき、貼るだけで簡単に防寒対策ができるのでDIYにもおすすめです。

断熱テープを窓のサッシに貼ることで、熱の出入りを防げるのでエアコンの効率がアップし、電気代節約にもつながります。

また、エアコンの配管に貼ることで保温材としての役目も果たしてくれ、熱の出入りを抑えることができるので、光熱費の節約にもつながります。

断熱テープも断熱カーテンと同様、さまざまな種類や素材から選ぶことができます。

選び方や種類を詳しく解説している別記事がありますので、どれにしようか迷っている方はぜひそちらをご覧ください。

断熱対策③:暖房の設置場所を見直す

エアコンやストーブなどの暖房器具を使っていても部屋の寒さが気になるときは、設置場所を変えてみるのもひとつの方法です。

ストーブやファンヒーターの場合は、温かい空気が窓に向かって出るように置いてみると効果が高くなります。

部屋を冷やしてしまう原因は、窓付近の外気で冷やされた空気が溜まっているからです。よって、窓の近くに暖房器具を設置すれば室内全体に温かい空気が循環するため、寒さが治まると言われています。

しかしながら、暖房器具の吹き出し口が窓のカーテンに触れそうな位置に設置するのは火災の原因となりますので注意してください。

また、暖房器具がエアコンしかない場合は、ファンヒーターやストーブなどの置くタイプの暖房器具と一緒に使うとより断熱効果が高まります。

断熱対策③:緩衝材(かんしょうざい)を使う

緩衝材とは衝撃を和らげることを目的とした資材のことを指します。

物同士がぶつかったり衝撃を受けたりした際に、衝撃を緩和し保護をしてくれます。よって、精密機械やガラス・陶器など壊れやすいものを輸送の際に衝撃から守ってくれます。ネットで配送を頼んだ際、段ボール内の商品が緩衝材で包まれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

緩衝材には、プチプチタイプ・クラフト紙タイプ・更紙(ざらがみ)タイプ・エアークッションタイプ・発泡スチロールタイプ・ポリエチレンシートタイプ・紙パッキンタイプなど、種類も非常にさまざまです。

そのなかでも断熱効果があるとされているのがプチプチタイプの緩衝材。プチプチはポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックが素材となり、窓に貼りつけることで冬の寒さを和らげ、快適に過ごすことができます。

冬は外の冷気が窓から入りやすいため、暖房器具を使ってもなかなか部屋が暖まらないことがあります。

そんなとき、プチプチの緩衝材を窓に貼っておくことで窓から侵入してくる冷気を遮断してくれるため、暖房器具の効率をアップさせることができます。

さらに暖房器具をつけていなくても、プチプチを窓に貼っておくだけで冷えを感じにくくなると言われています。

断熱対策④:カーテンライナーを設置する

カーテンライナーとは、カーテンレールに取り付けることで、窓からの熱や冷気の出入りを防ぎ、断熱効果を高めるためのアイテムです。

暖房の効率を良くしてくれたり、窓ガラスの結露を防いだりするので、カーテンのカビ予防にもつながります。

カーテンライナーは主にビニール素材が主流で、ホームセンターなどで手軽に買うことができ、ハサミで簡単に切って使用できるのでDIYに適しています。

カーテンライナーにもさまざまな種類があります。

断熱効果や遮熱効果、透湿性が高いものなどがあるので、選び方や種類については別の記事で詳しく解説していきます。

断熱対策⑤:窓ガラスとサッシのすき間を防ぐ(すき間テープ)

窓ガラスとサッシのすき間が空いていて冷気が入ってくるときは、すき間テープの使用がおすすめです。

すき間テープはあらゆるすき間を埋めることで、熱・水・音・振動などを遮ってくれる性能の高いテープです。

窓は閉め切っていても、レールや引き違い部分にどうしてもわずかばかりのすき間ができてしまいます。

冬になるとこのすき間から外の冷たい空気が部屋の中に入ってくるため、室内の暖かい空気は外に逃げてしまいます。

そのためすき間テープを使用し、窓やサッシのすき間を塞ぐことで断熱効果を高めることができます。

断熱対策⑥:断熱シートを窓に貼る

窓の断熱効果を高めるためには、窓用フィルムや断熱シートを貼るのも効果的です。

断熱シートは、窓や床に貼ることにより断熱効果をアップさせることができるシートのことです。

断熱シートには暖房器具で暖めた部屋の空気を外へ逃がさないようにしたり、窓の外から伝わる冷気を遮断したりする効果が期待できます。

また、窓ガラス表面の冷えを防止し、結露ができにくくする役割もあります。

よって、窓枠のカビや腐食を防ぐのにも役立ちます。

断熱シートもまた、シールタイプ・吸着タイプ・ミラータイプなどたくさんの種類が販売されており、用途やライフスタイルに合わせて選ぶことができます。詳しくは別記事でご紹介していきます。

断熱対策⑦:断熱フィルムを窓に貼る

断熱フィルムとは、窓に貼ることで部屋から逃げる暖かい空気を逃がさず、入ってくる冷気を遮断し窓際の寒さや結露を軽減することができるアイテムです。

断熱フィルムは、暑さの原因となる外からの近赤外線(きんせきがいせん)を外に反射し、部屋の中の暖かい空気である遠赤外線(えんせきがいせん)を室内側に反射しさせることで部屋の中の温度を一定にキープする、という仕組みとなります。

オーバーな例ですと、断熱フィルムを使用することで部屋全体が魔法瓶ようになり熱をシャットアウトできる、ということです。

断熱フィルムにも、ほかのグッズと同じように種類があります。詳しくは別記事でご覧いただけますと幸いです。

断熱対策⑧:断熱パネルを使用する

引用元:ニトリ様

断熱パネルとは、サッシに貼ることで窓との間に空気層ができ、簡単に二重窓構造が作れる断熱アイテムのことです。

断熱パネルを使用することで、外気の影響を受けにくく部屋の温度を一定にキープすることができます。

よってエアコンの効率が良くなり、室内の暖かいくうきが外に逃げにくくなるので、省エネ効果や電気代の節約にもつながります。また、湿気や結露による建物の劣化を防ぐこともできます。

両面テープで取り付けられるものが多く簡単に窓の断熱対策もでき、透明タイプのものを使用すれば、視界を遮ることもありません。

ただし、種類によっては値段が高いものもあります。


上記の断熱対策グッズの素材が何でできているのか、またそれぞれのメリット・デメリットをわかりやすく表にまとめました。

値段:◎→安価  ○→平均的  △→高価

スクロールできます
断熱グッズ素材メリットデメリット値段
断熱対策①
断熱カーテン
・ポリエステル
・リネン
・アクリル樹脂
・ポリウレタン など
・室内、室外それぞれから熱を伝わりにくくする
・部屋の温度を快適に保つ
・室内の暖かい空気をそとに逃げがさない
・暖房器具の効率が高まる
・光熱費の節約になる
・遮音、遮光効果もある
・いろいろな種類から選べる  
・部屋が暗くなりやすい
・開放感がなくなる  
断熱対策②
断熱テープ
 ・室内の暖かい空気を逃がさない
・暖房器具の効果を高める
・光熱費の節約ができる
・手軽に入手できる
・DIYに向いている
・色々な種類から選べる
・結露が発生することがある
・劣化しやすい
・ぴったりのサイズを選ぶのが難しい
断熱対策③
緩衝材(プチプチ)
・プラスチック(ポリエチレンやポリプロピレン)など・室内の温度を一定に保つ
・暖房器具の効きをよくする
・結露の発生を防ぐ 室内の暖かい空気を外に逃がさない
・手軽に断熱対策ができる
・DIYに向いている
・光熱費の節約になる  
・窓ガラスや窓枠が冷えやすくなる
・結露が発生する可能性がある
・カビが生える可能性がある
・剥がした後が残りやすい
・部屋が暗くなる
・引火の危険性がある
・見た目が悪くなる
・永久的に断熱効果が持続しない
断熱対策⑤
カーテンライナー
ほとんどがビニール製・取り付けが簡単
・1年を通して使える
・結露を防止する
・採光性がある
・暖房器具の効率を良くする
・室内外の空気の出入りを防ぐ
・光熱費の節約になる
・いろいろな種類から選べる  
・カーテンに負荷がかかり壊れる恐れがある
・記事が薄すぎるものがある
・長さが足りないことがある
・サイズ選びが難しい
断熱対策⑥
すき間テープ
・ウレタン
・ゴム
・スポンジ など
・手軽に入手できる
・室内外の出入り防ぐ
・音、水、振動などにも効果がある
・電気代の節約になる
・貼るだけで簡単
・暖房器具の効率を上げる
・いろいろな種類から選べる
・見栄えが悪くなる
・完全にすき間を塞ぎきれないこともある
・窓に合ったものを選ぶのが難しい
・剥がした際テープ跡が残りやすい
断熱対策⑦
断熱シート
・ポリエチレン
・ウレタン
・不織布
・アルミ など  
・室内の暖かい空気が逃げるのを防ぐ
・窓から伝わる冷気を遮る
・暖房器具の効率を上げる
・ガラスの飛散防止にもなる
・いろいろな種類から選べる
・結露を完全に防ぐことができない
・窓ガラスが割れるリスクがある
・窓ガラスに貼るのが難しい
・窓からの視界を妨げてしまう
○  
断熱対策⑧
断熱フィルム
ポリエステルがほとんど・部屋の温度を一定キープする
・UVカット効果がある
・ガラスの飛散防止効果がある
・プライバシーの保護ができる
・防犯対策になる
・省エネ効果がある
・年間通して使える
・結露の発生を抑える
・貼る際に空気が入りやすい
・手間がかかる
・結露やカビが発生することがある  
○~△
断熱対策⑨
断熱パネル
・ポリエステル
・ポリエチレン
・アルミ
・アクリル樹脂 など
・室内の温度の低下を抑える
・光熱費の節約につながる
・二重窓構造を作ることができる
・オールシーズンで使える
・室外の冷気や熱をカットする
・コストが高め
・ぴったりのサイズを探すのが難しい
◎→安い  ○→まあまあ安い  △→高い

窓の断熱対策は専門店へ相談しよう

窓の断熱対策は自分でも実践できる方法がたくさんあります。
しかし、自分で窓の断熱対策をするのが難しい場合は、専門店に依頼をしていただくことをおすすめします。

窓の断熱対策は専門店がおすすめな理由は以下になります。

  • 窓の断熱対策に関しての専門的な知識や経験がある
  • プロならではのキレイな仕上がりにしてもらえる
  • 窓の種類や状況(劣化や歪み具合など)を見極めてベストな断熱対策をしてもらえる
  • アフターサポート体制が整っている
  • 時間や手間をかけなくても良い
  • 専門用具を準備する必要がない
  • 失敗のリスクがない

このように、窓の断熱対策を専門店に依頼するメリットはたくさんありますが、一方で費用が高くなる・悪徳業者が一定数存在するなどの少なからずデメリットが生じることもあります。

悪徳業者に騙されないように専門店を選ぶ際は、SNSなどで口コミやお店の評価を調べて決めることが重要です。
また、訪問見積りの際に出張代を請求されないかなども見極めるポイントになります。

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