「畳って、夏はひんやり冬は温かく感じられるほど断熱性が高いのはどうして?」
「断熱性が高いはずの和室が、冬に寒い原因と対策を知りたい」
と色々畳について疑問をお持ちではありませんか?
和室は、畳を始め襖や障子など、断熱性に優れた建具が使われており、四季を通して快適に過ごせる空間のはずです。しかし、せっかくの和室も、断熱性が十分に活かせず、冬に寒かったり、夏に暑かったりすることがあります。
いったいなぜなのでしょうか?
この記事では、畳の断熱性が高い理由や種類ごとの特徴、そして和室の寒さの原因と対策まで詳しく解説していきます。
高い断熱性で夏涼しく冬暖かい!和室の快適さの秘密
和室は、断熱性が高く四季を通じて快適に過ごせる空間です。
ここでは、和室の快適さを支える畳、襖、障子それぞれの特徴を詳しく解説します。
畳
一般的な畳は、い草が編み込まれている表面のゴザ部分の「畳表」、稲わらで作られている畳の土台となる「畳床」、畳表の縁を抑える目的の「畳縁」の3つから成り立っています。
材料のい草や稲わらは、たっぷりと空気を含みます。空気の層は、熱を伝えにくいため、畳は断熱性が高いのです。
襖(ふすま)
襖も、内側に空気の層があるため、断熱性が高いです。
日本特有の間仕切り建具で、取り外しが自由にできるため来客時に襖を取り外し部屋を広く使ったり、逆に個室を作ったりできます。
障子
障子と窓ガラスの間に空気の層があるため断熱効果が高いです。
障子紙は、暑いと繊維がゆるみ通気性が高く、寒いと繊維が締まるため通気性が低くなります。
そのことも暑さ寒さを和らげる効果につながります。
畳の断熱性が高い理由とは?
ここでは、和室の建具の中でもとくに畳に焦点をあて、断熱性が高く快適に過ごせる理由を解説いたします。
畳の構造
一般的な畳は、畳床、畳表、畳縁の3つで構成されています。
構造的にみると、い草や稲わらで作られた断熱性の高い「畳表」と「畳床」の二つが重なった構造が、畳の断熱性の高さの理由です。
以下で畳床、畳表、畳縁それぞれの特徴を解説しましょう。
畳床(たたみどこ)
畳床は、畳の土台となっている部分で表面からは全く見えません。昔ながらの畳床は、稲わらを圧縮して作られ空気を多く含みます。
空気の層は熱を伝えにくいため、厚みのある畳床が畳の断熱性の高さの大きな要因なのです。
畳表(たたみおもて)
表面のゴザの部分で、経糸(たていと)に天然のい草が編み込まれたものです。い草も空気を多く含むため、畳表にも断熱性があります。
畳縁(たたみべり)
畳の長手方向に縫い付けられた布のことで、角を補強したり、装飾性を高めるためにつけられています。昔は、畳縁の生地や色、模様などにより地位を表していました。
畳の素材
従来からある一般的な畳には、い草と稲わらが使われています。い草は、スポンジ状の構造で1本1本に空気を含みます。
稲わらもまた、中が空洞になっていて、空気を多く含むのです。空気の層は、熱を通しにくいため、畳は、断熱性が高くなります。
畳の調湿性
畳が快適に過ごせる理由には、調湿性も大きく関係します。人が暑さ寒さを感じるのは、気温だけではありません。人の体感温度は、湿度にも左右されます。
気温が低くても湿度が上がれば暖かく感じ、気温が高くても湿度が下がれば涼しく感じます。畳は、調湿効果にも優れているため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるのです。
※体感温度とは、実際の温度とは別に人が感じる温度のことです。
畳の種類別に断熱効果に違いがあるの?
畳床に厚みがある「縁付き畳」と「縁なし畳」が、断熱性が高いです。
フローリング用の置き畳は、手軽に置ける反面、薄いため断熱効果は低くなります。樹脂製の化学畳は、畳床の素材や構造により断熱性も変わりますが、樹脂は熱伝導率が高いため、冬に室温が下がると冷たく感じやすいです。
畳の種類 | 特徴 | 断熱効果 |
縁付き畳(い草) | 最も一般的な畳。畳床の高さがあり断熱効果が高い | ◎ |
縁なし畳(い草) | モダンな印象。縁付き畳と同じく畳床の高さがあり断熱効果が高い | ◎ |
フローリング用置き畳 | フローリングなどに置ける薄くて軽いタイプ | △ |
化学(カラー)畳 | 樹脂は熱伝導率が高く、冬は冷たい | △ |
【畳の種類別断熱効果】
縁付きの畳
最も一般的な畳。畳縁があることで、畳表がしっかりと固定され、耐久性が高いのが特徴です。
畳床の厚さは、「55mm」または「60mm」と日本工業規格(JIS規格)で定められています。
畳の断熱性を発揮できる十分な厚みがあるのです
縁なし畳
半畳サイズの縁なし畳はおしゃれです。
光の反射と畳の目の向きが変わることできれいな市松模様になり、和室といえどもとてもモダンな雰囲気になります。縁がないことで、部屋が広く見えるメリットも。半面、畳の角が縁で保護されないため擦り切れやすく傷みやすいです。
※縁なし畳には、畳床が薄く断熱性が下がる商品もありますので注意が必要です。
置き畳
置き畳は、フローリングの上に設置するだけで、簡単に和の空間に変えることができる便利なものです。
一般的な畳より薄く軽量なものが多いです。
そのため、持ち運びが簡単にできどこにでも利用しやすい反面、厚みがなく断熱性能は一般的な畳に劣ります。
化学(樹脂)畳
デザイン性が高く色をつけることもできるおしゃれな樹脂製の畳ですが、樹脂は熱伝導率が高いため、冬は冷たく感じます。
化学畳のメリットは、擦れに強く日焼けしない、撥水性があり水拭きできることなどがあります。
和室が寒い原因と防寒対策
和室が寒い原因には以下の4つが考えられます。
- 畳の下地の隙間
- コンセントやスイッチの隙間
- 窓に断熱性がない
- 壁や天井の隙間
それぞれの対策を紹介していきます。
畳の下地の隙間
一般的な畳は高さがあり、フローリングとの段差をなくすため、畳の下地は低く作られています。フローリングとの高低差が生じ、畳の下から冷たい隙間風が吹き込むため寒く感じるのです。
対策
畳の下の隙間に気密テープを張って隙間を埋め、冷たい風が入らないようにします。
コンセントやスイッチの隙間
コンセントやスイッチは、カバーを外すとよくわかりますが、大きな隙間があります。そのため、隙間風が吹き込み寒く感じるのです。
対策
コンセントとスイッチ周りを気密化するスイッチボックスを使い、気密性を高めます。
窓に断熱性がない
断熱性能の低い窓ガラスやサッシを使用していると、外気の温度に大きく影響されてしまいます。そのため、部屋が寒く感じるのです。大きな窓があるほど断熱性が低くなります。
対策
窓に内窓をつけたり、プチプチを貼り付けたりして、断熱効果を高めます。
壁や天井の隙間
壁と天井の境目や、床と壁の間の境目は気密性が低く隙間ができやすいのです。そのため隙間風が吹き込み寒く感じるのです。
対策
取り合い部分(接合部)に巾木をつけ、隙間風を防ぎます。
和室の寒さはプロの目でチェック!専門業者に相談が最もおすすめ!
和室の寒さにお悩みなら、プロに相談がおすすめです。
ここでは、プロに相談がおすすめの理由や専門業者の選び方をご紹介します。
和室の寒さは「専門業者に相談」がおすすめの理由
和室の寒さ対策は、専門業者に相談・依頼するのがおすすめです。経験豊富な専門業者なら家全体を総合的にチェックし、和室の寒さの原因を的確に見極め、安全で最適な改善策を提案してくれるからです。DIYより費用が高くかかりますが、結局は高い効果が得られお得です。
【専門業者 vs DIY:和室の寒さ(断熱)対策のメリット・デメリット】
断熱対策を専門業者に依頼 | 断熱対策をDIYで行う | |
メリット | ・寒さの原因を総合的に判断 ・最適な改善策を提案安全に施工できる | ・手間や時間をかけず効果大費用が安い |
デメリット | 費用が高い | ・安全性が確保できない ・手間や時間がかかる ・うまく行えず、コスパの悪い結果になることも | ・十分な効果が得られない
専門業者の選び方
専門業者は、以下のポイントをチェックして選びましょう。
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自宅近くの畳の張替え専門店や工務店、リフォーム会社に相談するのがおすすめです。
自宅近くにあれば、良い評判も悪い評判も耳に入りやすく、何かあった時にすぐに駆けつけてもらえることが大きなメリットです。
まとめ
和室は、畳や襖、障子など断熱性に優れた建具を使用した四季を通じて過ごしやすい空間です。
しかし、せっかくの和室も「冬の寒さに困っている」などのお悩みがあればぜひ一度専門業者にご相談ください。長く快適にお使いいただくために最適なご提案をいたします。
残念ながら、専門業者の中には、悪質な業者も存在しますので、記事でご紹介した選び方のポイントを参考に、信頼できる業者を見つけてくださいね
ご自宅の和室の状態をチェックし、適切な対策を施して、暖かく快適な冬を過ごしましょう。
もし、和室や畳のことでお困りなことがあれば、お気軽に弊社のホームページをご覧ください。