はじめまして、福岡県・佐賀県・熊本県(一部地域)の以下の駆けつけ地域を中心に【襖・障子・畳・網戸】の張り替え専門店『 家美装(いえびそう)』です。
- 福岡県 柳川市・大牟田市・みやま市・筑後市・大木町・大川市
- 佐賀県 神埼市・鳥栖市・吉野ヶ里町・上峰町・みやき町・基山町
- 熊本県 荒尾市
今回は、近年の技術進歩で新たに出てきた量産襖のタイプ「ペーパーコア襖」について記事を書きました。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
襖のあるお家では、襖の張替えは避けては通れません。
そんな襖の張り替えをお考えの方に向けて、最近注目を集めている新素材の襖『ペーパーコア襖』について詳しくご紹介いたします。
本記事の中では、張り替えをする際に知っておくと役立つ情報(襖の張替えタイミング/襖の種類など)も詳しくお伝えしますので、是非襖の張り替えする際のご参考になれば嬉しいです。
まずは、ペーパーコア襖の紹介に入る前に、そもそもの襖の張り替えるタイミングがいつなのか?また、襖の種類や近年の襖の需要をデータなどを交えてご紹介いたします。
襖を張替えするタイミングは?
一般的に交換の目安は襖の種類や襖紙の種類により大きく異なります。5年〜20年以上と言われています。
さらに、そこからお部屋の日当たり具合や使用環境などにより張り替え年数は大きく変化します。
一般的に襖を張替えるタイミングは、以下のような理由のお客様が多いです。
- 襖紙が日焼けしてしまい、色が変わっている
- 襖紙が破けたり、大きいシミが目立っている
- お手入れを長年していないため、襖紙にカビが生えている
- 和室の雰囲気を変えたいので襖紙を模様替えしたい
- 和室をリフォームして新しく作り直す
目に見える劣化がない場合でも、お正月前や冠婚葬祭などの節目のイベント行事の前に張り替えのご依頼をされる方も多くいらっしゃいます。
襖の種類
「襖」は大きく3つの種類に大別されます。
「和襖(わぶすま)」「戸襖(とぶすま)」「量産襖(りょうさんぶすま)」それぞれ特徴や襖紙の貼り方が異なるため、それぞれの違いを理解いただくために簡単に表にしました。
構造 | 縁(ふち) | 用途 | 張替え | |
和襖 | 格子状の枠の上から和紙が貼られている | 取り外せる | 和室と和室の間仕切り | ◎: | できる
戸襖 | 内部にベニヤ板を使用 | 取り外せない | 和室と洋室を区切る間仕切り | △:できる ※上張りが多い |
量産襖 | 発泡スチロールやダンボールを芯材に使用 | 取り外せない | マンションや建売住宅に多く使われている | ※上張りのみ | ×:できない
上張り/上貼り(うわばり)・・・襖 (ふすま) ・天井・壁などに仕上げとして紙や布などをはること。また、その紙や布。仕上げ張り。
Goo辞書 上張り/上貼り(うわばり) とは? 意味・読み方・使い方
和襖(わぶすま)
和襖は伝統的な日本の家屋によく見られる襖になります。
襖内部の骨組みの上に何枚もの紙が張られているため断熱効果もあります。また、襖に縁があることが他の襖との最大の違いであり、襖の縁は簡単に外すことができるため、縁や襖紙を替えることでお部屋の模様替えなどさまざまなテイストのお部屋を楽しむことができます。
主な和襖は以下の4種類になります。
- 本襖
- 在来襖
- チップボール襖
- ペーパーコア襖(※襖の組子の数を減らし、間にペーパーハニカムコアを用いたハイブリッド襖)
さらに以下のような変わり種の襖もあります。
- 源氏襖(げんじぶすま)
…襖の一部に採光用の障子を張った襖
- 太鼓襖(たいこぶすま)
…茶室などに使われる、縁のない襖
- 倹どん襖(けんどんぶすま)
…上部の鴨居の溝にいったん差し込み、下部の溝にはめ落とす固定式の襖。「落とし込み」とも呼ばれる。
倹飩式(ケンドン式)の襖。
戸襖(とぶすま)
戸襖は組子と呼ばれる骨組みの上にベニヤ板を貼って作られている襖で、和室と洋室の間仕切りとして使われることの多い襖になります。
一般的には表面に襖紙、裏面にクロスや木材が使われており、和室にも洋室の雰囲気にもなじみます。
重量があり丈夫なため、防音性や断熱性に優れています。
量産襖(りょうさんぶすま)
「量産襖」は襖の構造や製作工程、素材などを簡易化し大量生産される襖になり、建売住宅や賃貸マンションなどで使用されることが多い襖です。
襖の縁や襖紙ともに剥がすことができないので、張り替える時は襖紙の上から新しい襖紙を重ねて貼る(上貼り)ことが多い襖になります。
量産襖は、「発泡スチロール襖」「ダンボール襖」「ペーパーコア襖」の3種類に分類されます。
- 発泡スチロール襖
…軽量で断熱性に優れ、価格も安い。
しかし強度が弱いのがデメリット。
- ダンボール襖
…量産できるので価格が安く、軽量。
湿気に弱いのがデメリット。
- ペーパーコア襖
…厚紙をハチの巣状の構造にした「ペーパーコア」を芯材にした襖。
軽量で強度が高い分、量産襖の中では価格が高い。
和襖は、年々減少傾向に…
以下データからもわかるように、近代的な建物が増えて、古民家が減少していることが影響して、和襖の需要は年々減少傾向にあります。
近年は、生活様式の変化やライフスタイルの欧米化により、和室のない間取りの住宅も徐々に増えてきています。
さらに、マイホームを建てる際にも和室を作らない方も増えており、インテリアも洋風を好む人が多いため「襖」が減少していると考えられます。
近年の主流は量産襖
建売住宅やマンションやアパートなどの賃貸住宅で和室があるお家は、量産襖が主流となっています。
似た間取りで同じテイストのお部屋を大量に造り、建売・賃貸にすることで、襖も安価で軽量な素材である量産襖を用いてコストを下げるオーナー様が多くいらっしゃいます。
※注意※
段ボール襖や発泡スチロール襖などの量産襖は、「上張りのみで、襖紙の張替えはできない」「耐用年数も短い」というデメリットがあることは、是非覚えておいてください。
高コスパで人気の高いペーパーコア襖
『ペーパーコア』とは、ハチの巣構造で形成された紙製の芯材のことです。
ダンボールよりも軽くて頑丈、さらにはリサイクル可能で環境にも優しいとされ、近年人気の素材です。
量産襖は比較的安価に購入できますが、ダンボール襖や発泡スチロール襖は強度が弱いため耐用年数は和襖に比べてかなり短いです。
一方、ペーパーコア襖は低コストでダンボールを上回る強度と軽さを備えているため、量産襖の中では高価ですが耐用年数は高い襖となります。
ペーパーコア襖とはどんなもの?
ペーパーコア襖は厚紙をハチの巣状の構造にした「ペーパーコア」を芯材にした軽量でありながら強度があり、リーズナブルな価格で提供されるコスパの良い襖というのが特徴です。
断熱効果や防音効果もあるとされ、機能面でも優れています。
ペーパーコアのメリット・デメリット
ペーパーコア襖のメリットとして以下が挙げられます。
- 軽くて付け外しが簡単
- 強度が高い
- リサイクルできる素材
ペーパーコア襖のデメリットは、他の量産襖と比べると価格が高いことです。
強度 | 素材 | 特徴 | |
ペーパーコア襖 | 高い | ハチの巣状にした厚紙 | ダンボールより軽量で耐久性が高い |
ダンボール襖 | 湿気に弱い | ダンボール紙を重ねて層にしたもの | 量産襖の中で最も一般的 |
発泡スチロール襖 | 簡単に折れやすい 熱に弱い | スチロール | マンションやアパートに多く使用 |
ペーパーコア襖がおすすめな方は?
では、ペーパーコア襖がおすすめなのはどんな人でしょうか。詳しく解説していきます。
- 高齢者や小さなお子様
…ペーパーコア襖は軽い素材なので、高齢者や小さな子供が開閉する際の負担が少なく、安全に使用できます。 - 価格を抑えつつ長持ちする商品を使いたい方
…ペーパーコア襖は、耐久性が高く価格がリーズナブルです。襖の張替え費用を抑えつつ、耐久性の高い襖にしたい人に最適です。 - 環境に配慮した素材を求める
…ペーパーコア襖は紙を原料とするリサイクル可能な素材のため、環境に優しくリサイクルが可能です。
襖の張替え方法
先ほども説明しているように襖の種類によって襖紙を剥がして綺麗に張替えられる襖と、襖紙を剥がせないため古い襖紙を剥がさずに上から貼って張り替える襖(もしくは襖ごと交換)があります。張替えられる襖は「和襖」と「戸襖」で、「量産型襖」は枠が外せないため基本的には張替えできません。
張り替えができる「和襖」の張替え手順を簡単にご紹介します。
工程が多く作業にはコツがいるため、素人が張替えるのは難しく感じるかもしれません
- 引手を外す
- 枠を外す
- 古い襖紙を剥がす
- 新しい襖紙を貼り付ける
- 枠を取り付ける
- 引手を取り付ける
- 襖を乾燥させる
ペーパーコア襖はどこで購入できる?
ペーパーコア襖を購入するためには、建具屋さんやリフォーム会社に相談し専門店から購入する必要があります。
まずは専門業者に問い合わせてみましょう。
なお、襖紙の張替えに関しては、ペーパーコア襖を購入後に自分の好きなデザインの襖紙を購入して張替えることも可能です。
ペーパーコア襖の張替えは自分でもできる?
張替えの価格を抑えるために、自分で張替えをしたいと考える人方も多いかと思います。
襖紙を購入し、自身で襖紙を貼ることは可能です。
しかしながら、ご自身で貼り替えるには準備や調査を含め時間と手間がかかり、そして張替えには多くの工程を要します。
失敗のリスクも決してゼロではありません。
張り替え後も襖紙の糊付けが甘く綺麗に張れていないと、剥がれてきたり、湿気の影響でヨレてきたりもします。失敗のリスクを無くし、長く綺麗な状態で襖を置いておきたい方には、建具屋などの専門店に依頼するのことをお勧めいたします。
また、ペーパーコア襖を丸ごと交換する場合には、建具屋さんやリフォーム会社に依頼することになります。
張替え/交換のどちらにしても、専門家に相談して最も適切な方法を提案してもらうことおすすめいたします。
まとめ
襖の張替えは手間がかかりますが、劣化や破損が目立つようになったら早めに張り替えもしくは襖の丸ごと交換をお勧めします。
今回ご紹介したペーパーコア襖は量産襖でありながら軽量で耐久性が高く、コスパの面でも優れている商品になります。
DIYで張替えも可能ですが、長く大事に襖をお使いになられたい方は、襖の張替えで失敗しないためにもまずは張り替え専門店にご相談をすることオススメいたします。