【荒組障子 – あらぐみしょうじ – 】特徴や構造・張り替え方法まで詳しく解説!横組障子や竪組障子との違いも解説

近年、新築の一軒家・マンション・アパートでは和室がひとつもないお家も多く、障子を目にする機会がより減ってきているように感じます。

障子とは平安時代から使用されてきた和室の出入口や、窓に用いられる建具のひとつです。障子には外部からの視線を遮断しながら、柔らかな光を取り込む役割があります。また、障子はデザインや機能により様々な種類が存在します。

和室は日本人のこだわりがたくさん詰まった快適に暮らせるための空間です。和室を作ることにはたくさんのメリットがあるので、これからマイホームを作る予定の方にもおすすめです。

今回は、障子のいくつか種類の中からひとつ、「荒組障子(あらぐみしょうじ)」についてご紹介します。

荒組障子の特徴や魅力だけでなく、他の障子との違いなどについても詳しくご紹介していきます。

目次

障子のある和室のメリット

和室は昔ながらの伝統ある様式で、その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。和室の空間は障子や襖で仕切られており、特に障子は空間を完全に断絶せずおぼろげな明かりを部屋全体に届けてくれます。

障子は、直射日光を避け部屋全体を明るくしてくれるため節電効果があるだけでなく、障子紙の素材は「紙」になるため湿度調整も行ってくれ快適な環境を整えてくれます。

このように、和室は昔の日本の知恵が詰まった部屋であり、日本人が快適に暮らすために必要な空間となっていることがわかります。

荒組障子(あらぐみしょうじ)とは?

荒組障子とは、障子の基本的な設計となる横組をベースにし、縦横の組子の数を少なくし、組子の間隔が大きめに開けてある障子のことを指します。

組子は横90㎝、高さ180㎝の障子であれば横方向に4等分、縦方向に6等分に組まれています。

最もスタンダードな障子で木造住宅など一般的な家屋で多く使用されており、くつろいだ和室にぴったりです。
また荒組障子は、別名「大荒組障子(おおあらぐみしょうじ)」「荒間障子(あらましょうじ)」と呼ばれることもあります。

障子には、組子(くみこ)の種類があり、これによって名称が違ってきますので解説していきます。

組子とは障子の枠内に組まれる格子のことを言い、組子の縦の部分を「竪子(たてこ)」、横の部分を「横子(よここ)」と言います。

障子は1面に横子を5〜6本入れるのが基本の組み方となります。

荒組障子は、この基本の組み方に3本の竪子が組み込まれたものになります。

また、5本の竪子が組み込んであるものを「竪組障子(たてぐみしょうじ)」と呼び、このふたつが一般的な障子の基礎となります。

荒組障子と似た障子で「横組障子(よこぐみしょうじ)」という障子があります。こちらは竪子を3本、横子を11~12本入れた標準的なタイプです。荒組障子の竪子はそのまま、横子の間隔が半分になっています。

そして、横組障子のほかに「竪組障子(たてぐみしょうじ)」という障子もあります。竪組障子は、荒組障子の横の組子はそのまま、縦の組子を半分の間隔で入れたものになります。竪子5本に横子5本を入れた障子で、日常生活の中でみなさんが最もよく目にする障子のタイプになります。

そのほかにも類似する障子がいくつかあります。次の章では、荒組障子だけでなくそれ以外種類の障子を特徴などを踏まえてご紹介していきます。

荒組障子の特徴

こちらでは、荒組障子のメリットやデメリットなど特徴を表にして分かりやすくまとめています。

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メリッ・桟(さん)に幅をもたせてあるのでスッキリと見える 
・モダンな雰囲気を演出できる
・断熱効果がある
・障子紙が外からの視線を遮ってくれる
・日中閉めても柔らかい光が取り込める
・シンプルなデザインなのでどんな部屋にでもなじむ
・調湿効果がある(湿度調整機能)
デメリット・桟にほこりがたまりやすい
・水拭きができない
・障子紙が破れやすい
・掃除に手間がかかる
・障子紙が日焼けしやすい
素材・木(杉が使われることが多い)
・障子紙
お手入れ方法・塵や埃は「はたき」などで優しく落とす
・枠はしっかりと絞った雑巾などで拭く(水分が残っているのはNG)
張り替え年数・目安:3~5年

荒組障子以外の障子の種類と特徴

ここから、荒組障子以外の障子の種類と特徴をそれぞれ解説していきます。

雪見障子(ゆきみしょうじ)

『雪見障子』とは、障子の下半分くらいにガラスがはめ込んであり、障子を開けなくても外の景色が見える障子です。

一般の障子は外を見るためには戸を開けなければなりませんが、雪見障子はその名の通り、戸を開けなくても外の庭に積もる雪を眺めることができます。ガラス部分には何もついていないものが一般的ですが、地方によってはガラス部分に上下に開閉できる「子障子(こしょうじ)」が取り付けられているものもあります。

猫間障子(ねこましょうじ)

「猫間障子」は、猫がいる間(部屋)が名前の由来で、障子を開けておくと猫が自由に出入りできることが目的で作られました。雪見障子と似ていますが障子の下半分くらいに小障子がついており、ガラスははめ込まれておらず上下または左右に開閉できるようになっています。

ですが時代が進むにつれ猫が通る意味が薄れてきたのと、何も付いていない障子は家の性能が悪くなり不都合が生じるため、現在ではガラスがはめ込んであるものが主流となっています。

縦繁障子(たてしげしょうじ)

『縦繁障子』とは、横組障子を基本として縦方向の桟が多く組まれている障子になります。横子5本、竪子7本・9本・11本・13本など奇数で多く入れられています。厳格な書院でよく見られ、書院障子は縦繁障子が使われることがほとんど。

また、縦繁障子は関西地方で見られるのが主流で、組子が細長いのでスマートに見えるのが特徴のひとつです。玄関の引戸でもよく使用されています。

横繁障子(よこしげしょうじ)

『横繁障子』とは横組障子が変形したもので、組子を横に細かく入れた障子のことを指します。横組障子の横子を更に半分の間隔で細かく入れてありその数は16〜18本程です。

主に関東地方で好まれ、横の組子が多く組まれているので横への流れを強く感じることができ、奥行きを広く見せる効果があります。

腰付障子(こしつきしょうじ)

『腰付障子』は、障子の下半分に腰板と呼ばれる板がついている障子のことです。腰板に絵が描かれているものや襖が張られているタイプのものなどもありデザインはさまざまです。

腰板は、昔は風雨を避けるのが目的だったため60〜70㎝ほどでしたが、年月が経つにつれ部屋の仕切りとしての役割が主要になり高い腰板は不要になったため、現在では30㎝程度の腰板が一般的です。

荒組障子の構造

引用元:株式会社 札促社様

荒組障子の構造の各名称を解説していきますので画像と照らし合わせてご覧ください。

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名称各部分の詳細
上桟(かみざん)障子枠の一番上にある桟の名称
下桟(しもざん)障子枠の一番下にある桟の名称
組子(くみこ)障子の枠の中に組み込まれれる格子の名称
竪組子(たてくみこ)障子の枠の中に縦方向に組み込まれる縦の組子の名称 竪子(たてこ)とも呼ぶ
横組子(よこくみこ)障子の枠の中の横方向に組み込まれる組子の名称 横子(よここ)とも呼ぶ
竪框(たてがまち)障子枠の縦に取り付けてある枠の名称
障子紙(しょうじがみ)障子の枠に貼り付ける紙のこと

荒組障子のメンテナンス方法

荒組障子のメンテナンス方法をご紹介していきます。

【普段のお手入れ】

  • 週1くらいで桟にたまったホコリをはたきなどで払う
  • ホコリが取れない場合は柔らかいブラシや布を使う
  • 引手まわりは白木用のクリーナーを使うか、キッチン用の洗剤を水で薄めたものを雑巾に付けよく絞って拭く→固く絞った雑巾で仕上げ拭きをする

【障子紙の破れや小さな穴】

障子紙が少し破れたり、小さな穴があるときは「和紙補修シール」が便利です。

シールを出したらそのまま破れや穴などに貼り付けられます。

いろいろな形があるので、何カ所かに貼ってデザイン貼りをするのもひとつの方法です。

【桟が折れてしまった】

桟が折れて放置しておくと、ひずみ(ゆがむこと)の原因になるので早めに対処することが大切です。

  1. 桟が切断された部分に木工用ボンドをつける
  2. ボンドが完全に乾くまでマスキングテープなどで固定しておく。

【障子の滑りが悪い】

引用元:楽天市場-ナフコ様-

障子の滑りが悪いと感じたら市販の戸滑りシールがおすすめ。

  1. 障子を外したら下側のゴミや汚れを拭き取る
  2. 下側の2ヵ所(両端)に滑り止めシールを貼る

※障子が通常よりも大きい場合は3ヵ所貼ってください

障子の滑りが悪いと感じたら市販の戸滑りシールがおすすめ。

  1. 障子を外したら下側のゴミや汚れを拭き取る
  2. 下側の2ヵ所(両端)に滑り止めシールを貼る

【建付けが悪い】

障子がガタついたりぴったり閉まらないときは敷居滑りテープの使用が便利です。

  1. 障子の傾き具合を把握する
  2. 敷居滑りテープを小さく切り、障子を持ち上げたい方の下に1.2枚貼り付け調節する

※敷居滑り止めテープは様子をみながら1枚づつ貼っていくのがポイントです。

また、和紙の障子紙は破れやすいため、プラスチックの障子紙に変えるというのもひとつの手段です。プラスチック障子紙は、耐久性が高いのはもちろん水拭きができるので日々のお手入れが楽になります。

こちらでは、自分でできるメンテナンス方法をご紹介しました。しかし、あまりにひどい汚れや障子枠がDIYでは修理不可能な場合、自分で判断せず一度専門店に見てもらうのが確実な方法です。

荒組障子の張り替えについて

こちらでは荒組障子の張り替えについて説明していきます。(※障子紙をのりで張り替えるタイプの場合の説明になります)

【準備するもの】

  • 障子紙
  • はがしのり(はがし剤)
  • のり
  • カッター
  • カット定規
  • 雑巾
  • 使わない歯ブラシ
  • 大きいビニールシート など

【DIYでの障子の簡単な張り替え手順

  1. 障子紙が張ってある桟に「はがしのり」をつけて5分ほど置き、古い障子紙を剥がします
    ※はがしのりがない場合は水で濡らしてもOKです
  2. 障子紙を剥がしたあとの桟をキレイにするため、古くなって使わなくなった歯ブラシなどで桟に残った障子紙を取りきります
  3. 障子枠を風通しのいい場所で乾燥させます
  4. 障子枠に沿ってのりをつける
  5. 障子紙を枠に沿ってゆっくりと張り付けていく
  6. 桟の上を軽く押さえたるみが出ないようにする
  7. はみ出した余分な障子紙をカットする
  8. 日陰で半日ほど乾燥させる

このように障子の張り替えは準備するものや、障子紙の張り替えの工程数が多いため時間と手間がかかってしまいます。
このようなことをトータルで考えると、張り替えはプロにお願いするのがベストな判断だと言えます。

荒組障子の張り替えは専門店にお任せ

障子の張り替え費用を抑えるため、荒間障子の張り替えをDIYで挑戦してみようと考えている方もいらっしゃると思いますが、以下のように色々な面でトータル的に考えると専門店に依頼するのが長い目を見てもお得で最も費用対効果の良い選択だと考えています。

その理由としては、以下が挙げられます。

  • 専門的な工具を準備しなくてもいい
  • 専門店ならではのキレイな仕上がりにしてもらえる
  • 時間や手間がかからない
  • 障子のついてのわからないことに的確に答えてくれる
  • アフターサービスが充実している
  • トラブルがあったらすぐに解決してくれる

まとめ

今回は、荒組障子について特徴やほかの障子との違い、また張り替えや構造などについても詳しくご紹介しました。

障子のある和室の歴史は長く、機能的でメリットが多いため日本人が快適に暮らしていける空間です。

そして荒組障子は縦横の組子の数が少なく組まれている障子で「荒間障子」「大荒組障子」とも呼ばれています。また、さまざまな障子の種類がある中で最もスタンダードな障子だということがわかりました。

荒組障子の張り替えやメンテナンスは、手間や仕上がりなどをトータルで考えると専門店に依頼をすることが長い目を見た時にもっともコストパフォーマンスのよい正しい判断だと言えます。

荒組障子はシンプルでモダンな雰囲気を演出してくれます。これからマイホームを購入し、和室を作る予定の方はぜひ荒組障子を取り入れることを検討してみてください。

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