【トイレのリフォーム】水道代の節約にはトイレも重要!この10年で大きく進化した日本のトイレとは?

さまざまなものが値上がりし、食費や光熱費を下げるために工夫をこらしている方も多いのではないでしょうか。

とくに光熱費は毎日の積み重ねが大切で、家族全員の協力が必要となます。

水道代を節約する際に検討したいのが、家庭内で使用水量の割合が高い1日に家族全員が何回も利用するトイレです。

この記事で10年-20年ほど前の古い型のトイレと最新型のトイレが、節水機能や省エネ機能など格段に進化していますので、どれほど違うのか。また、最新のトイレはどのような部分で飛躍的な進化を遂げているのか。

今後値上がりするであろう水道料金の疑問から現状の一般家庭の使用水量などのデータを出しな、今と昔のトイレの進化がわかる記事にしました。

ご家庭での節水や省エネに興味がある方や水回りのリフォームを考えられている方は、とても有益な記事となりますのでぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

目次

水道代が高くなる原因

水道代が高くなる原因として水道料金の収入の減少が挙げられています。

料金収入減の理由① 1人当たりの水使用量の減少
料金収入減の理由② 人口減少
料金収入減の理由③ 地下水利用専用水道の普及

引用元:公益財団法人 東京財団政策研究所 – 水道の現在地 2「水道料金はどのように決まるのか。なぜ水道料金は上がるのか」-

水道水は毎日どの家庭でも必ず使用しているますが、なぜ収入は減少しているのでしょうか。

それには3つの原因が挙げられます。

  • 人口の減少
    人口の減少により水の使用量も以前より減少。使われる水が少なければそれに伴い収入も減少してしまいます。
  • 水道施設の老朽化
    厚生労働省の報告によると主要な水道管の耐震適合率は40.7%。施設の老朽化による維持費コスト増加のため、定期的なメンテナンスや改修工事で費用が今まで以上にかかっています。
  • 節水機器の普及
    洗濯機やトイレなど節水商品が数多く開発され、環境にもお財布にも優しくはなりましたが、それに伴い水道施設の収益が減っています。

上記の結果が水道料金の値上げに繋がり、節水対策をしていない家庭には水道料金が上がることで大きな痛手を追うことになります。

家庭内での使用量はどれくらい?

東京都水道局の発表による2020年の生活水実態調査では、1ヶ月あたりの平均使用水量は以下のようになっています。

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世帯人員使用水量世帯人員使用水量
1人8.1㎡4人23.1㎡
2人14.9㎡5人27.8㎡
3人19.9㎡6人以上34.1㎡
引用元:令和2年度生活用水実態調査

これを分かりやすく換算すると4人世帯の平均使用水量は23,100リットル。

1日あたり770L。1日2リットルのペットボトル385本分を使っている計算になります。

何気なく使っている水道ですが、これだけの量を毎日使っていると節水への意識も高まります。

お家の中で『水の使用量』が多い場所

厚生労働省が2023年3月に発行した「いま知りたい水道 -日本の水道を考える」の資料では、もっとも水道水が使われている場所はお風呂、次いでトイレと発表されています。

家庭内で1日に使用する水量を1人当たりに換算すると約230リットル(L)。

個人差はありますが、お風呂で80L、トイレに50L、続いて炊事に40L、洗濯に35L、洗面その他に25Lとなります。

参照元:厚生労働省 医薬・生活衛生局 水道課 「いま知りたい水道 – 日本の水道を考える」

最も使用するお風呂では湯船の量を減らし、残り湯を洗濯などに使うなどの節約方法がとれますが、トイレはどのような対策がとれるのでしょうか。

誰でも簡単!すぐにできるトイレの節水方法

トイレの節水対策や心がけとしては以下のようなものがあります。

  • 便利グッズを使う
  • レバーの「大」「小」を使い分ける
  • 何度も流さない
  • 浮き球を調節する
  • お風呂の残り湯を再利用する

とくに、トイレのタンク内に設置する節水グッズは多く販売されています。

取り付けの手間は少しありますが、安価で水圧を下げずに排水量だけ減らすことができるので試しに取り付けみるのもおすすめです。

また、レバーの「大」と「小」をきちんと使い分けることで1回1リットル以上の節水効果があります。地道な作業にはなりますが、流す際には意識してみてください。

結論:節水効果を高めるには最新のトイレがおすすめ

今すぐにできる節水方法として便利グッズを取り入れるのが簡単で費用も安く済みますが、それでも限界があります。

1日に何回も使用するトイレなので、家族の人数が多いほど元の節水量を減らすことが大きな節水に繋がります。

最新のトイレとここ10年ぐらい前のトイレとでは、機能・性能がずいぶんと変わっています。まずは、最近のトイレの使用水量や省エネ効果を過去と比較しながらご紹介いたします。

水道使用量の違い

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引用元:TOTO株式会社

株式会社TOTO様の「ピュアレストEX」を例にご紹介いたします。

1999~2004年の商品では、「大」レバー1回につき8リットルもの水を使用していましたが、「ピュアレストEX」では、1回につき4.8リットルに抑えられています。

ちなみに、別商品の「ネオレスト(床排水)」では、「大」レバー1回につき、なんと3.8リットルに抑えられ、約半分の量で流せる設計にまで進化しました。

こちらの商品では、年間約5,100円お得になるようです。

株式会社TOTO様 公式サイトより引用:ピュアレストEX
株式会社TOTO様 公式サイトより引用:ネオレスト

また、他のメーカーの洗浄水量も参考までにご紹介いたします。

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引用元:株式会社LIXIL

引用元:株式会社LIXIL

引用元:パナソニックホールディングス株式会社
商品名LIXIL アメージュシャワートイレLIXIL JフィットPanasonic アラウーノ L150シリーズ
洗浄水量   大5L 小3.8L大5L 小3.8L 大4.8L 小3.6L

省エネ効果

便座の保温機能や温水シャワーは使用していない間も待機電力を消費しているので、気を付けないと電気代の増加に繋がります。

しかし、メーカー独自の機能により大幅に抑えることができるので、便座カバーを使用したくない方は省エネ効果の高いトイレを選ぶことも大切になります。 大手メーカーで消費電力の少ない商品の一部をまとめてみました。

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商品名年間消費電力量備考
TOTO ネオレスト75kWhセンサーで暖房がつく機能と便座とフタの断熱材により消費電力を抑えています
LIXIL Jフィット(H5グレード)104kWh 
Panasonic アラウーノ S160シリーズ173kWh設定温度を約30℃のエコモードを使用すれば112kWhまで抑えられます

ちなみに平成24年度(2012年)に資源エネルギー庁が目標として掲げた数値は以下のようになっています。

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洗浄機能の有無貯水タンクの有無年間消費電力量
暖房便座(洗浄機能無し) 141kWh
温水洗浄便座(洗浄機能有り)貯湯式(貯湯タンクあり)183kWh
貯湯式(貯湯タンクなし)135kWh
引用元:経済産業省 電気便座のエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等

この消費電力量を見ても、最新のトイレがいかに省エネ効果を発揮しているかが分かります。

便座の形状変化

便器のフチ

洗浄機能の向上により今まで便器のフチからおこなっていた排水が不要になり、フチのない形状が普及しました。

汚れが溜まりにくく、お掃除もしやすい構造は普段のお手入れも簡単になります。

床との設置面

便器の本体、とくに床上の形状は以前に比べて凹凸がなくスタイリッシュなものに進化しました。

これによりホコリや汚れが溜まりにくく、お手入れの際もサッと一拭きすることが可能です。

このような形状の変化により、仕事や家事に忙しい方への負担を軽減してくれます。

節水や節電にはかかわりのない部分ですが、こまかな配慮が伝わります。

省スペース化

タンクレスやタンクのスリム化によってどんな住宅でも設置ができるように進化しています。


たとえば、LIXILの「アメージュシャワートイレ」ならタンクがついていても1160mm以上から設置が可能です。

トイレが戸建てより狭いマンションでも幅45cm×奥行80cmのトイレが一般的なので、幅41.6cm×奥行76.4cmのアメージュシャワートイレなら圧迫感を減らすことができます。


タンクレスであればPanasonicの「アラウーノL150」がおすすめです。

幅38.3cm×奥行70cmとかなりの小型化が進んでいます。

※タンクレスの場合は、別に手洗い場の設置が必要になりますのでご注意ください。

簡単お手入れ

トイレでの悩みの種といえばお掃除。気を抜くとすぐに黒ずみができるのでこまめな手入れが欠かせません。

最新のトイレなら、そんな掃除の手間を減らしてくれる機能がたくさんあります。

メーカーによって詳細は異なりますが、多くのトイレに備わっている機能をいくつかご紹介します。

洗浄方法

効率よく流すことで節水しながら便器内の汚れをしっかりと落としてくれます。

少量の水なので洗浄音も小さくなり、夜間のトイレも音を気にせず可能です。

泡洗浄機能

水を流すたびに設置した洗剤の泡を溜め、便器内をきれいに保ちます。

また、泡がクッションの役割を果たすので尿のハネを防いで壁や床へのにおい対策にも効果があります。

フチなしデザイン

便器のフチの折り返しがないデザインは今までブラシでしかこすれなかった部分もシートで簡単に拭き上げることができます。

余計なくぼみがないのでカビや黒ずみが発生しにくくなります。

ノズルの自動洗浄

ノズルの使用後に自動でおこなってくれるクリーニング機能は清潔さを保ってくれます。

水垢がつきにくいコーティング

水垢はぬめりや黒ずみの原因となります。

水垢がつきにくい素材やコーティングが施されていればいつもの排水で取り除くことができるので、掃除の負担を減らしてくれます。

すき間を抑えたデザイン

便座や本体のすき間が少ないデザインは汚れやホコリが溜まりにくく、掃除をするときもサッと一拭きで済ませることができます。

その他、便利機能

最新型のトイレには悩みのタネであったニオイや音への対策を改善する機能が備わっています。

壁や床には知らないうちに尿が付着し、時間が経つにつれアンモニア臭がこびりついてしまいます。使用後に自動で除菌と消臭をおこなうことで、壁や床へのニオイ溜まりを軽減します。


また、排水性能がアップしたことで節水だけでなく音も静かになりました。

トイレの隣が寝室でも睡眠を妨げにくくなっています。

夜間ライトが備わっていれば自動でほのかな明かりが点灯するので、電球のまぶしさで目が冴えることもありません。


そして、オート開閉機能やオート洗浄機能はトイレに触れる機会を減らしてウイルスや菌の付着を防ぎ、家庭内での感染予防に役立ちます。

このように、最新型のトイレには生活のさまざまな悩みを解消する機能が多く備わっています。

トイレのリフォームは大きな節約につながる

今後、水道施設の老朽化や人口の減少により水道代が高くなる可能性は避けられません。月々の光熱費を抑えるためにも水道の使用量が2番目に多いトイレへの対策をおこないましょう。

手軽におこなえるのはタンク内に設置する節水グッズですが、効果は限られてきます。

トイレの使用人数が多いうちは最新のトイレへのリフォームをおすすめします。

最新型のトイレは20年前と比べて水道代だけでも1人あたり年間4,000~5,000円もお得になり、お手入れの手間も省けます。消費電力も10年前と比べて大幅に削減されているので、電気代の節約も期待できます。

家計を圧迫する光熱費を抑えるためにも、できるところから早めに見直しを進め、出費を減らす工夫を取り入れていきましょう。 トイレのリフォームは最初はまとまった支出となりますが、長い目で見たときに元をとれる大切な手段のひとつとなります。

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