【畳のサイズは地域によって違う?】畳の張り替え時に役立つ畳のサイズについて詳しく解説!

畳は1000年以上の歴史がある、日本の伝統ある敷物です。現代の家屋は洋室化が進み、畳の部屋がひとつもないというご自宅もめずらしくありません。ですが、畳のある部屋は足を踏み入れるとどこか懐かしく、心がリラックスするものです。

畳の素材は、昔ながらのい草を使用したものをはじめさまざまな素材があり、種類もいろいろあることを前回の記事でご紹介してきました。

今回の記事では、畳のサイズにフォーカスを当てて詳しく解説していきます。ご存じの方は少ないかもしれませんが、畳のサイズは地方によってさまざまです。本格的な夏がくる前に畳の張り替えを考えている方は、ご自宅の畳のサイズを確認してみてください。

目次

畳のある部屋の魅力とは?

畳のある和室はとても汎用性が高く、ひとつあることで居間・寝室・客間・書斎・子供の遊び部屋などさまざまな使い方ができます。

畳に使われているい草は吸湿効果や調湿効果があり、高温多湿で四季のある日本の気候にとても適しています。そしてい草独特の香りは気持ちを落ち着かせ、心身をリラックスさせてくれる効果も期待できます。

また、フローリングに比べると柔らかいので、そのまま寝ころんだりしても体が痛くなりにくく、衝撃を吸収するので小さなお子様やご年配の方がいても安心です。

このように、畳のある部屋はメリットが多く、これからマイホームを購入する予定の方にもおすすめです。

畳のサイズはなぜ違うのか?

畳のサイズは同じ1畳でも、部屋や地域によって大きさがさまざまです。それは地域によって家の建築の仕方が異なることがその理由です。

関西地方では「畳割り(たたみわり)」と呼ばれ、”畳を並べた後部屋の大きさを決める建築方法“が、関東地方では「柱割り(はしらわり)」と呼ばれる、”家が完成してから畳を柱と柱の間に合わせてはめ込んでいく建築方法“が使われました。柱割りは、柱と柱の間の感覚に合わせて畳を敷いていくため、柱の太さ分畳が小さくなったので大きさに違いが生じたのでは?と言われています。

畳のサイズの種類について

畳のサイズは大きく分けて5種類ありますので、それぞれ詳しく解説していきます。

京間(きょうま)

京間は本間(ほんま)や本間間(ほんけんま)・関西間(かんさいま)と呼ばれることもあり、5種類のなかで一番大きいサイズの畳です。特に古くからある建物が多い関西で多く使用されています。他には四国地方・中国地方・九州地方でもこの京間が一般的に使われています。

六一間(ろくいちま)

六一間は畳の長辺の寸法が「6尺1寸」であることからこの名がつけられました。六一間はあまり知られていないサイズですが、岡山県・広島県・山口県などの中国地方の山陰で使われています。なので、「広島間(ひろしまま)」や「安芸間(あきま)」と言われることもあります。

中京間(ちゅうきょうま)

中京間は愛知県や岐阜県などの中部地方、福島県や岩手県など東北の一部、また北陸地方の一部と沖縄でも使われているサイズの畳です。畳の「長辺が6尺×短辺が3尺」であることから「三六間(さぶろくま)」とも呼ばれています。

江戸間(えどま)

畳の最も標準的なサイズとされているのが江戸間です。東京をはじめとする関東地方と全国各地、東北地方の一部、北海道でも使われています。畳の長辺の寸法が「5尺8寸」なので五八間(ごはちま)と呼ばれることも。ほかに、「関東間(かんとうま)」や「田舎間(いなかま)」と呼称することもあるようです。

団地間(だんちま)

団地間はその名のとおり、団地やアパートなどの集合住宅で使われることが多い畳です。戦後の高度成長期の人口増加と住宅の普及と共に需要が高まり、限られたスペースにできる限り多くの部屋数を、という目的で誕生しました。また、公団住宅で使用されることから「公団間(公団間)」とも呼ばれ、長辺が「5尺6寸」であることから「五六間(ごろくま)」という呼び方もあるようです。

畳サイズ各種の比較

スクロールできます
畳サイズ1畳の大きさ使用されている地域・場所
京間191×95.5㎝ (6尺3寸×3尺1寸5分)京都を中心とした関西地方、大阪・紀州・中国・四国・九州
六一間182×91㎝ (6尺×3尺)岡山県・広島県・山口県など中国地方の山陰部
中京間182×91㎝ (6尺×3尺)愛知県・岐阜県などの中部地方、福島県・岩手県などの東北の一部、北陸地方一部、沖縄県
江戸間176×88㎝ (5尺8寸×2尺9寸)東京をはじめとする関東地方~全国各地、東北の一部、北海道
団地間170×85㎝ (5尺6寸×2尺8寸)団地・アパート・マンションなどの集合住宅

畳のサイズについて注意すること

畳のサイズ変更をすることは容易ではありません。例えば、現在ご自宅にある畳が京間であり、それを江戸間に変更したいとなると、畳のサイズを小さくしなければならないので、どうしても寸法に細かい余りがでてしまいます。そのため、通常は大工事をすることになります。

なので、畳のサイズ変更をしたいときは必ずプロの採寸が必要となります。また、サイズ変更で大工事となると費用も上がる場合があるので、やはり専門店に相談していただくことをおすすめします。

畳の張り替えのサイン

こちらでは、畳の張り替えのサインについて解説していきます。

畳の張り替えは裏返しが約2〜5年、表替えが(または裏返しをしてから5年ほど)約4〜7年、新調が約10〜15年くらいと言われています。

しかしながら、使い方や環境によりもっと早く替えたほうがいい場合があります。こちらでは、畳が劣化する原因をお伝えしますので、張り替えのサインの参考にしてみてください。

原因 ① – 湿気

畳が劣化する主な原因は湿気によるものです。天然のい草からできている畳は、湿気を吸い取り、放出するエアコンのような役割があります。ですが、い草が湿気を吸収できる量にも限度があります。特に梅雨時期の湿度が高い時期が長期にわたって続くと、い草が湿気を吸収できる限界を迎えてしまいます。

そうなると、い草は湿気を放出できなくなり常に湿った状態になってしまうので、カビやダニが繁殖しやすくなってしまいます。カビやダニは人体の健康にも影響するので、換気をし畳を乾燥させることを心がけてください。

原因 ② – 日焼け

続いての劣化原因は「日焼け」によるもの。紫外線が当たると人体にも影響しますが、畳の劣化にもつながります。新調したばかりの畳は緑色をしていますが、紫外線を浴びると日が経つにつれ茶色っぽい色に変化していきます。

畳の原料であるい草は「クロロフィル」という成分を含んでいます。クロロフィルは紫外線に当たると「フェオフィチン」という成分に変化しますが、フェオフィチンは黄褐色をしていることが、畳が日焼けしてみえる原因です。

また、畳は紫外線のみでなく室内の照明でも変色します。一度日焼けした畳は、ほとんど元に戻らないので新調したときから紫外線対策をすることがおすすめです。現在では、畳の日焼けを防ぐために畳の上に敷くクロス、日焼け防止のカーテンなどグッズも販売されているので、活用してみてください。

原因 ③ – ささくれ

たたみの「ささくれ」も劣化原因のひとつ。ささくれは、畳の上にある家具を移動したときや尖ったもので傷をつけてしまうことで起こります。また、長期間使用している畳は乾燥しているため、素材が弱くなっているのでささくれの要因になります。

ささくれは畳が摩耗し表面のい草が逆立っているため、素足で歩いたり寝ころんだりすると危険です。特に小さなお子様がいるご家庭の方は十分注意が必要です。

ささくれは一度できてしまうと完全に元に戻すことが難しいため、少しでも症状が小さいうちに対処しておくことが大切です。

原因 ④ – 焦げ跡

畳に「焦げ跡」がつく原因は、タバコや線香などを落としてしまったときです。畳に焦げ跡がつくとその部分が黒くなってしまい、見た目の美しさが損なわれます。また、素材であるい草が傷むことで畳の寿命が縮まります。

小さな焦げ跡は、サンドペーパーで擦って対応できることもあるようですが、大きな焦げ跡の場合は、畳を張り替えてしまったほうがいいケースもあります。

上記の劣化の原因は、それぞれ応急処置にて対応することも可能ですが、一時しのぎにしかならないこともあります。自分での判断が難しいときは畳専門店に問い合わせをしてみることをおすすめします。

畳の張り替え方法とは?

畳の張り替え方法は3通りありますのでご紹介していきます。

  1. 表替え ⇒ 畳床は残し畳表と畳裏を新しく交換する
  2. 裏返し ⇒ 畳床は残し畳表をひっくり返す
  3. 新調 ⇒ 畳表・畳縁・畳床の全てを替え新しくする
張り替え方法 交換のタイミングや症状
表替え・畳を使用しはじめて4~5 年が目安
・畳の光沢感がなくなりはじめたら
裏返し・畳を使用しはじめて2~3年が目安
・傷や色あせが目立ちはじめたら
新調・畳を新調してから約10年くらい
・沈むような感触
・大きな傷
・一部が変色
・表面の皮がひどく剥けている
・い草の間にすき間がある など

畳の張り替えは専門店にご依頼がオススメ!

畳の張り替えはDIYで行わず、専門店に依頼をするのがベストです。

様々な理由がありますが、主な理由を簡単に箇条書きでまとめました。
どこかの記事で詳しく内容は記載しようと思います。

  • 張り替えに手間や時間がかからない
  • ご自宅に合った畳のサイズを選んでもらえる
  • 特別な工具を準備しなくていい
  • 畳の張り替えについての相談ができる
  • 作業場所を設ける必要がない
  • 失敗のリスクがなく美しく仕上がる
  • アフターサポートが充実している

まとめ

今回は、特に畳のサイズについて焦点を当てご紹介しました。畳には湿度調整・断熱効果・防音効果・衝撃吸収などの暮らしに欠かせない機能がたくさんあります。これから本格的な夏を迎えますが、畳の部屋があることでそのまま寝ころんだり、涼しく過ごせるので快適な暮らしに理想的と言えます。

畳の張り替えをDIYでしようと考えている方もいるかと思いますが、本文でご紹介したように畳にはさまざまなサイズが存在します。特に新調をする際には、必ずご自宅の畳がどんなサイズなのかを把握するようにしてください。その場合、張り替え専門店に依頼しサイズを確認してもらうのが確実です。

しかし、専門店でも悪徳業者がいる場合もあるので、利用する店舗の情報を事前にSNSやGoogleなどで調べておくことが大切です。調べる際は返品保証があるか・無料点検があるか・無料見積もりがあるかなどを見極めることがポイントです。

これから畳の張り替えをしたい方・畳のある部屋を作りたい方はぜひ畳のサイズをチェックしてみてください。

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