
波板は屋根材や壁材などに使用される波状の板のことを指します。カーポートやベランダ・温室・小屋などで幅広く使われていますが、その種類はさまざまです。
現在、波板の主要となっている素材が「ポリカーボネート(通称:ポリカ)」です。
ポリカーボネート製の波板には、多くのメリットがありおすすめできる素材になります。
今回の記事では、波板の素材の中でも「ポリカーボネート製」の素材の波板に焦点を当て、その特徴やメリット・デメリットなど、ポリカ製の波板の魅力について詳しくご紹介します。
また、波板の交換や修理で高所作業を伴う場合は、必ず専門業者に依頼するようお願いいたします。なぜ業者に依頼するのを強くお勧めするのかも理由を含め解説していますので、波板の交換・補修を検討されている方はぜひ参考にしてください。
波板(なみいた)とは?

波板とは「表面が波のような状態の板状の建材」のことを指し、カーポートや駐輪場の屋根、ベランダやテラスの屋根、物置や小屋・温室・倉などの屋根や壁など幅広い用途で使用されています。
波状の構造にすることで強度を高めることができ、軽量で取扱いしやすく、雨が流れやすい作りになっているため屋根材として最適です。また、加工しやすいのでDIY素材としても広く使われています。
そして、波板の素材にはさまざまな種類があり、機能面や耐用年数・価格などはそれぞれ異なります。
波板の形状について
波板の素材について

波板は主に以下の5種類の素材に分類されています。
- ポリカーボネート
- ガルバリウム鋼板
- トタン
- 塩化ビニル樹脂
- 塩化ビニル樹脂(ガラスネット入り)
こちらでは、ポリカーボネート以外の波板素材の特徴を簡単に解説していきます。
ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛・シリコンでできた合金で、メッキ加工が施してある鋼板のことです。
高い耐久性と軽量性、サビにくさが特徴です。また、水が染み込みにくく、コケやカビが付きにくいため、屋根の雨漏りのリスクを減らすことができます。
しかしながら、初期費用が高めであることや、薄い金属板であるため衝撃にはあまり強くなく、子供のボール遊びや野球のボールの壁当てなど外からの衝撃で凹んでしまうこともあるというデメリットも持っています。
トタン

トタンとは、薄い鉄板の表面に亜鉛のメッキを施した「亜鉛メッキ鋼板」のことを指し、屋根や外壁の建材として幅広く使われる素材です。
軽量で強度が強く、加工がしやすいといった特徴があります。また、安価で入手しやすいためDIYにも適しています。
一方、熱が伝わりやすいため夏場は高温になりやすい・雨音が響きやすい・サビが発生しやすいなどのデメリットもあり、定期的なメンテナンスが必要になります。
かつては波板の主流であったトタンですが、ほかの素材に比べると耐用年数が低いため、近年ではあまり使われていません。
塩化ビニル樹脂

プラスチックの一種で、硬さや柔軟性・耐水性・耐薬品性・難燃性に優れた素材です。
汎用性が高いため、窓枠・床材・ラップフィルム・雑貨などさまざまな製品に幅広く使われています。
他の素材に比べると安価で入手しやすく、カッターでカットできるなど、加工がしやすいためDIYにも向いています。
とはいえ、紫外線に弱く屋外で使用すると劣化が早く進み、変色・変形が起こりやすいのがデメリットです。そのため、長期使用にはあまり向いていません。
塩化ビニル樹脂(ガラスネット入り)

塩化ビニル樹脂にガラスネットを挟むことで、強度と耐候性を高めた素材です。
これにより、通常の塩化ビニル樹脂よりも劣化しにくくなります。
準難燃性(じゅんなんねんせい:建築法で定められた延焼しにくいと認められた素材のこと)の認定を受けているため、安全性が高いのも特徴です。
しかし、通常の塩化ビニル樹脂より価格が高く、硬質なため加工の際には電動ノコギリなどを必要とします。
また、ガラス入りで強度は増していますが、寿命は通常の塩化ビニル樹脂とほとんどかわらず、4~5年程度となります。
※波板の素材の種類・耐用年数・価格についてなど詳しく知りたい方は、弊社の以下記事をご覧ください。

ポリカーボネートとはどんなもの?

ポリカーボネートとはガラスのような高い透明性と驚異的な衝撃性を持ち、光沢のある熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックに分類される合成樹脂の一種です。プラスチックのなかでも特に高い耐衝撃性を持つことから「割れないプラスチック」と呼ばれることもあります。
波板のほか、カメラレンズ・自動車部品・CDなど、ガラスよりも軽量かつ割れにくい特性が求められる幅広い製品に使われています。
こちらでは、ポリカーボネート製のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
ポリカーボネートで作られた(ポリカ製)波板のメリット
まず、ポリカ製波板のメリットについてお伝えしていきます。
メリット(1):高い耐衝撃性

ポリカ波板は主成分であるポリカーボネート自体が紫外線に非常に強く、紫外線を99%以上カットする性質を持っています。そのため、屋外使用で劣化を引き起こす紫外線を効果的に防ぎます。
また、-40℃〜125℃程度までの広い範囲に耐えられるため、温度変化の激しい屋外でも劣化しにくい特性を持っています。
メリット(2):軽量で扱いやすい

ポリカ製の波板はガラスなどに比べて素材自体が非常に軽いため、移動や設置作業が楽に行えます。
1㎡あたり約1㎏程度の重さで金属製などのほかの屋根材と比べて大幅に軽くなっています。
素材が軽いため屋根を支える下地材の構造をそれほど頑丈にしなくても済むという利点があります。
メリットその(3):軽量で扱いやすい

ポリカ波板は主成分であるポリカーボネート自体が紫外線に非常に強く、紫外線を99%以上カットする性質を持っています。そのため、屋外使用で劣化を引き起こす紫外線を効果的に防ぎます。
また、-40℃〜125℃程度までの広い範囲に耐えられるため、温度変化の激しい屋外でも劣化しにくい特性を持っています。
メリット(4):安価で入手しやすい

ポリカ波板は、合成樹脂の一種であり、材料そのものが比較的安価です。
工場で大量生産されており、ホームセンターなどで手軽に購入できる定尺商品(ていじゃくしょうひん:決まった長さの製品)であるため、オーダーメイド品に比べてコストが抑えられています。
そのため、劣化したり自然災害などで破損したりした場合、気軽に交換することができます。
メリット(5):透明度が高い

ポリカ波板はアクリルやガラスに匹敵する高い透明度を持つ素材で、一般的に85~90%と言われています。それは、製造時に不純物や気泡が極めて少なく、分子構造が均一であるため、光が散乱しにくいため、クリアな視界が確保できます。
高い透明度はガラスと同程度でありながら、非常に高い耐衝撃性も持つため、安全性と採光性を両立させたいカーポートやベランダの屋根材として広く利用されています。
※透明度が高いポリカ製の波板がお好みでない場合は、ポリカ製の波板でも透明度を抑えた商品も数多くありますので、ご心配なく。
メリット(6):防サビ・腐食性が高い

ポリカ波板は、樹脂素材であるため金属のようにサビる成分を含んでいません。
また、樹脂素材であるため腐食する環境でも耐久性が高く、劣化しにくい特徴があります。
よって、海岸近くなど塩分を含む潮風が当たる場所でもサビる心配があります。さらに雨や風による変色も少ないため、屋外で長く使用できます。
ポリカーボネートで作られた(ポリカ製)波板のデメリット
一方で、少なからずデメリットもあるためこちらもご説明いたします。
デメリット(1):薬品に弱い

ポリカーボネートは、応力腐食(おうりょくふしょく)という性質を持っており、薬品と接触した状態で負荷がかかると、ひび割れや変形が起こる可能性があります。
特にアルコール・溶剤・アルカリ剤などに触れると、白く変色したりクラック(ひび割れ)が発生することがあるため、掃除の際には中性洗剤を薄めて使うか水洗いにとどめ、強力な洗剤や有機溶剤は使用避ける必要があります。
デメリット(2):傷がつきやすい

ポリカーボネートはアクリルよりも柔らかく、硬度が低い特性から表面に傷がつきやすい素材です。
そのため、表面を強くこすったり、飛来物が当たったりすることで細かい傷がつくと、美観を失う原因にもなります。
衝撃には強いですが、その柔軟性が表面の傷つきやすさにもつながるため、施工時には作業工具や素材を慎重に扱う必要があります。
デメリット(3):汚れが落ちにくい

ポリカ波板は、薬品に弱い性質のため強い洗剤が使えず、目立った汚れを落としにくいことがありますが、水や薄めた中性洗剤でこまめに掃除することで汚れを落とすことができます。
汚れが長期間放置されると乾燥して落としにくくなるため、雨の日の翌日など汚れが浮いているうちに掃除することがポイントになります。
上記のように、ポリカーボネート製の波板はメリットが多い素材です。よって5種類の波板素材のなかでも魅力的な素材だということが言えます。
ポリカ製波板の寿命は?
ポリカ波板の一般的な寿命は10程度とされていますが、実質的に10年以上使用されることが多い傾向にあります。
ポリカーボネートは紫外線にも強い素材ですが、長期間の直射日光にさらされると、表面が硬くなって割れやすくなります。
したがって、寿命に達していなくても見た目が劣化している場合や、雹・強風による破損のリスクが高まる場合は交換を検討することをおすすめします。

ポリカ波板の寿命を示すサインは次のようなことが挙げられます。
- 表面の白濁
- 黄ばみ・変色
- ヒビ割れ・穴
- 留め具の緩みや浮き
- 表面の剥離
これらのサインを見つけても、すぐに交換が必要か判断が難しい場合は、専門業者に点検を依頼することを推奨します。
【ポリカ波板以外の波板の寿命】
種類 | 寿命 | メリット | デメリット |
ガルバリウム鋼板 | 約15~25年 | ・軽量 ・サビにくい ・水が染み込みにくい | ・耐候性が高い・初期費用が高め ・衝撃に弱い |
トタン | 約10~15年 | ・強度が強い ・加工がしやすい ・安価で入手しやすい | ・軽量・夏場は高温になりやすい ・雨音が響きやすい ・サビが発生しやすい ・耐用年数が低い | ・熱が伝わりやすい
塩化ビニル樹脂 | 約2~5年 | ・耐水性に優れている ・耐薬品性に優れている ・難燃性に優れている ・汎用性が高い ・安価で入手しやすい ・加工しやすい | ・柔軟性に優れている・変色/変形が起こりやすい ・耐用年数が低い | ・紫外線に弱い
(ガラスネット入り) | 塩化ビニル樹脂約4~5年 | ・塩化ビニル樹脂より強度と耐候性が高い | ・準難燃性に優れている・塩化ビニル樹脂より耐用年数が大きく変わらない | ・塩化ビニル樹脂より価格が高い
ポリカーボネート素材の波板商品のご紹介

ポリカ製の波板は、さまざまな種類があり、用途や環境に合わせてお好きな商品を選ぶことができます。
いくつかポリカ製の波板をご紹介いたします。
商品①:タキロンシーアイ ポリカ波板 鉄板小波(32波)610クリア/透明

高い耐衝撃性・優れた耐候性・採光性を特徴とした最高級のポリカ波板です。
用途や環境に合わせ、さまざまな種類とカラーの取扱いがあるので、ご自宅にぴったりのものを選ぶことができます。
商品②:シンエツポリカタフ

割れにくい丈夫さと優れた耐候性を兼ね備えたポリカ製の波板です。強度が高く寿命が長いため美観を長期間保つことができます。透明性が高いものから柔らかい採光性のものまでバリエーションが豊富なところが特徴です。
商品③:シンエツポリカタフ熱線カット

ポリカーボネートが持つ強靭さに加えて、太陽光の熱線(近赤外線)を遮る機能を兼ね備えた高機能な波板です。
透過光が当たる場所の温度上昇を抑え、有害な紫外線をしっかりカットします。用途に応じて熱線を吸収するタイプと熱線を反射するタイプから選ぶことができます。
波板の交換・取付けは業者に依頼がおすすめ
波板の交換や取付けは専門業者への依頼がおすすめです。業者をおすすめする理由は次のようなことが挙げられます。
安全性の確保
高所での作業が必要となる場合、落下や墜落などによるケガのリスクがあります。高所作業に慣れている業者に依頼することで、自分自身が危険な作業を避けることができます。
確実な仕上がり
DIYでの施工が不安な場合や、キレイに仕上げたい場合は、豊富な知識と経験がある専門業者に依頼するのがおすすめです。
適切な素材の選定
波板にはさまざまな種類がありますが、業者に依頼することで設置場所や環境に合った波板に適切な素材を選んでもらうことができます。
保証・アフターサポート
点検の際に、専門的な視点から波板の状態を確認し、素人では気が付かないようなひび割れや継ぎ目の破損などのトラブルを早期に発見することができます。
トラブルの早期発見と修理
点検の際に、専門的な視点から波板の状態を確認し、素人では気が付かないようなひび割れや継ぎ目の破損などのトラブルを早期に発見することができます。
迅速な対応
雨漏りや劣化が進行している場合はすぐに交換が必要ですが、業者に依頼することで迅速な対応を期待できます。
特に高所での作業は厚生労働省のデータからも、建設業などのプロの労働者でも転落・墜落事故が一番多いことがわかっています。
ポリカ波板は加工のしやすさからDIYでの使用にも向いています。しかしながら、自分での交換や取付けは高所作業となるためおすすめはできません。
※注意※ 高所での作業の危険性について

波板の修理や張替えは高所での作業になるため、屋根の上での作業を専門とするプロの業者での転落や墜落の危険性が報告されています。
厚生労働省によると建物の屋根での作業中、屋根に設置された明かり採り用波板を踏み抜いてしまったため、転落し命を落としてしまったという事例がありました。
令和5年の厚生労働省による労働災害状況の「事故の型別死者数の割合」では、転倒に次いで、「転落・墜落事故」が多いということがわかっています。
また、建設業では墜落・転落事故が一番多く、場所は屋根や屋上からが最も多いということも明らかになっています。
死亡災害発生状況の推移-建設業における労働災害発生状況 P.3

建設業のプロの方でも、高所での作業は非常に危険であり死亡事故も起きています。
プロの方でも非常に危険な高所での作業は、労働安全衛生規則でいくつか義務付けられている規則があります。
労働安全衛生規則 第九章 墜落、飛来物崩壊等による危険の防止
「第一節 墜落などによる危険の防止」
波板の設置や交換・修理は、ご自身で行わず専門業者に依頼をお願いいたします。
※高所作業の危険性について詳しく書いた記事もございますのでぜひこちらをご覧ください。


まとめ
ポリカーボネートとは、高い耐衝撃性と透明度を持つエンジニアリングプラスチックのことで、さまざまな商品に使用されています。
今回は、数ある波板の素材のなかでおすすめな「ポリカーボネート」製の波板についてほかの素材と比較し、特徴やメリット・デメリットを解説し魅力をお伝えしました。

ポリカ製の波板は以下のようなメリットが多いため、現在の主流となっています。そのため、これから波板屋根の設置を検討している方におすすめです。
- 高い耐衝撃性
- 軽量で扱いやすい
- 高い耐候性
- 安価で入手しやすい
- 透明度が高い
- 防サビ・腐食性が高い
また、ポリカーボネートは入手しやすくDIYでの施工に向いていますが、波板の交換や設置をする場合は高所作業となり危険を伴うため、ご自身での作業は推奨しておりません。したがって、必ず専門業者に依頼することをおすすめします。
そろそろ波板の交換や波板を新たに設置を考えている方は、ぜひ専門店に依頼をしてみてはいかがでしょうか。
私たちは福岡県と佐賀県、熊本県の以下地域のお客様の対応をしております。
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弊社『家美装 – IEBISOU – 』は、ふすま・障子・網戸・畳の張替え専門店です。



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