襖(ふすま)の引手や取手の基本
襖の引手(ひきて)や取手(とって)は、襖の開け閉めをする際に欠かせないものです。
襖を開けるという実用面だけでなく、インテリアのアクセントとなるおしゃれなデザインのものも多く出ています。
本記事では、襖の引手や取手のデザインや選び方ついて詳しく解説いたします。
また、引手の種類・特徴、選び方のポイントや交換のベストなタイミングなどを解説し、
最近再注目を浴びている、プライバシー対策やセキュリティ対策を考えた鍵付き襖まで、幅広い選択肢のヒントをお届けします。
最後には引手や取手の費用目安についても紹介していきますので是非最後までご覧ください。
襖の引手や取手の役割は?
襖の引手と取手はどちらも襖を開け閉めする際に指をかけて使用するものです。
引手と取手は似ているように感じますが、
- 引手(ひきて) … 引戸のように左右にスライドさせるときに用いるもの。
- 取手(とって) … 引くもしくは押すことで扉を開けるために取り付けるもの。
上記のような違いがあり、形状も大きく異なります。
引手や取手が壊れるとどうなる?
引手や取手が壊れてしまったら、ドアを開けるのが不便になってしまいます。
引手や取手が外れた状態では、取りつける際に使われていた釘などで手をケガをしてしまう心配もあるので、早めに修理や交換をしましょう。
襖の引手と取手の種類と特徴は?
襖の引手や取手にはどんな種類があるのでしょうか。
それぞれの種類や特徴と、選び方のポイントを紹介していきます。
引手と取手の種類
引手や取手には多くの種類がありますが、材質で大きく2つの種類に分けられます。
- 木製(もくせい)
- 金物(かなもの)
木製の引手や取手は、木目を生かした自然派なものと、塗装されツヤ感があるものに大別されます。なかには職人が手作りで仕上げた高級なものも多く、素材やデザインにこだわる人には根強く選ばれています。
金物の引手や取手は、金・銀・赤銅・鉄・真鍮などの金属で作られたものになります。漆塗りやメッキ仕上げなどバリエーションも豊富です。
選び方のポイントは?
引手や取手を選ぶ際のポイントとして、「サイズ」・「デザイン」・「形状」・「使い心地」・「耐久性」の5点に注目してご自分の好きな物を選ぶことをオススメします。
- サイズ
現在の引手と同じ形状、同じサイズのものを選ぶと取り付けがスムーズです。今までに使っていたものと違う形状のものでは、引手穴に適合しない場合があるので事前にサイズや引手の穴は確認してから選ぶことオススメします。 - デザイン性
部屋のデザインやインテリアと合っているか。こちらも意外と大切なポイントになると思います。
特にデザインにこだわりがない方は、襖の開け閉めしやすい形状で使い心地の良いものを選ぶことオススメします。 - 形状
引手の形状が使いやすいかどうか。
デザインを優先して、実用性を低くするとあとでストレスになり交換し直す方もいらっしゃいます。 - 使い心地
開閉がスムーズにできるか。開閉時にストレスにならないか。 - 耐久性
頻繁に触る部分なので、長期間使えるので耐久性のある材質を選ぶことオススメします。
引手を交換するベストなタイミングはいつ?
引手を交換するのに適したタイミングは、以下3つです。
- 引き手が外れてしまったとき
- 襖を張り替えるタイミング
- 部屋の雰囲気を変えたいとき
襖を張り替える際には、一度引手を外さなければなりません。
襖紙を張り替えた後に再度引手を取り付けるので、襖紙の交換や襖の修理をふすま屋さんや建具屋さんに頼むタイミングが交換時期としてはベストになります。
新しい襖紙に合わせて引手や取手のデザインを選べば、部屋の印象をガラッと変える模様替えにもなります。
是非、引手や取手を交換しようかなと悩まれている方は参考にして下さい。
引手・取手の種類ごとの選び方は?
引手や取手を選ぶときには、襖のデザインやカラー、質感にあったものを選びましょう。
部屋のインテリアとも雰囲気を合わせて選びたいですね。
とはいえ、襖の引手や取手は1000種類以上ものデザインが存在していると言われています。
種類ごとに、選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
『木製』の引手・取手
「和」をインテリアに取り入れたい方に最も支持されているのは木製です。
天然素材にこだわり、職人によって一つひとつ丁寧に作られているものも多いので、木目の美しさを生かした一点物を見つけたい方にもおすすめです。
『金属製』の引手・取手
金属製の引手では、
- 金
- 銀
- 銅
- 真鍮
- 鉄
- アンチモニー
などの金属に、「くすべ」、「漆塗り」、「錆づけ」、「メッキ仕上げ」などの色加工を施して上品に仕上げられています。
『その他の材質』の引手・取手
近年では、プラスチック製や陶器製などの材質の引手も作られています。
機械で大量生産できるプラスチック製は、安価に販売されているものが多いので、価格を抑えたい方におすすめです。
引手・取手の『サイズ』
引手には、大大、大、中、小と様々なサイズがあり、襖には大サイズが多く使用されています。
引手を選ぶ際には、襖に開いている引手を設置する穴と、引手の裏面のサイズが適合する商品を選びましょう。
引手・取手の『形状』
その中で昔から多く使われている一般的なものは「丸型」です。
それ以外にも「菱形」「角型」「楕円形」「角切り」「ひょうたん型」など、デザイン性の高い引手が多数使われています。
昔と現在のデザインを比較
襖は平安時代から貴族の間で使われていたと言われています。
町民にまで普及したのは江戸時代ごろから。その引手のデザインは、時代とともにどのように変化しているのでしょうか。
伝統的なデザインはどんなものなのか、また現代ではどんなデザインがあるのかをご紹介していきます。
伝統的なデザイン
昔から茶室などの装飾品には天然木が多く使われてきたこともあり、昔から丸型・チリ落と形のデザインが伝統的に使われてきました。
現代のおしゃれなデザイン
あまり和の印象を持たせたくない、モダンな雰囲気のリビングには、ステンレス製でシンプルなデザインの引手がおすすめです。
存在感がないので、部屋全体の雰囲気を壊しません。
セキュリティーが気になるなら鍵付き襖がおすすめ
基本的に襖には鍵がついていません。
しかし、プライバシーの確保や安全面から鍵をつけたいと考える方も少なからずいらっしゃると思います。
襖には以下の鍵が後から設置可能です。
- サッシ補助錠
- サッシロック
- 掛け金
- 南京錠
鍵付き襖にするメリット
襖に鍵をつけるメリットとして、プライバシーの保護のほか、子供やペットに侵入を防ぐなどの安全面にも効果を発揮します。
鍵付き襖にするときの注意点やデメリット
賃貸の場合には、無断で襖に鍵をつけて傷がついてしまった場合、退去時に補修費を請求されてしまう恐れがあります。
傷をつけない方法で鍵をつけるか、大家さんに相談の上で取り付ける必要があるでしょう。
襖の交換や修理にかかる費用は?
ここまで引手に関する情報にスポットを当ててきましたが、襖の交換にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
DIYと業者に依頼した場合それぞれの費用を紹介していきます。
費用の目安
襖の交換費用は、DIYか業者に依頼するかで大きく変わってきます。
DIYの場合ですと、襖を張り替える場合にかかる材料費は2000〜3000円程度です。
引手の価格は、材質によって異なりますが、安価なプラスチック製なら200円〜700円程度で購入可能で、高価な引手になると数千円から数万円で販売されているものもあります。
また、業者に依頼した場合の料金相場は2,000円〜30,000円ほどです。襖紙の素材によっても大きく費用が異なります。
予算に合わせて工夫や節約のポイントを紹介
自分で襖を張り替えれば材料費しかかからないので、費用を抑えたいなら断然DIYがおすすめです。
しかし、襖を張り替えるのは、工程も多く手間がかかる作業です。時間と手間を考えて業者に依頼したほうがいいと考える場合もあるでしょう。
業者に依頼する際には、料金や作業内容が明確で、襖の種類を選択できる業者を選ぶことをおすすめします。
まとめ
襖の引手や取手には非常に多くの種類があります。昔ながらのデザインからスタイリッシュなものまで、そのデザインも様々です。
これから交換を予定している方は、襖や部屋の雰囲気に合ったデザインを考えて引手を探してみましょう。また、セキュリティー面などの必要に応じて鍵付きの引手も検討してみてはいかがでしょうか。
きっとお部屋全体のセンスも安全性も、ワンランクアップさせられます。