障子が汚れたり破れたりして、和室がなんとなく薄暗く感じ「そろそろ張替えたほうがいいのかな」と気になっていませんか。
汚れたり破れたりした障子は、部屋全体の印象が悪くなるだけでなく、断熱性・調湿性などの機能面でも悪影響を及ぼします。
この記事では、障子の張替えタイミングやどんな素材を選べばいいのか、日頃のお手入れ方法まで詳しく紹介します。
障子の役割
最初に障子の役割について紹介します。
障子は、日本の伝統的な建具です。おもに間仕切りとして利用され、外からの視線を遮りながら光を取り入れられます。障子の採光性は、部屋全体を明るくする効果があり、部屋中が柔らかい光に包まれ非常に居心地の良い空間が作れます。
また障子には断熱性があり、冬は温かく夏は涼しく過ごせます。そのため冷房や暖房の光熱費の節約にも。さらに和紙の障子紙は、湿気を調整する機能も持っているため、湿度の高い日本の気候に適した建具と言えるでしょう。
障子の張替えタイミングとは?
障子が、汚れたり破れたりしたまま放置していると、せっかくのすばらしい機能が十分に発揮されません。そのため障子を張替えることには、下記のようなメリットがあります。
【障子張替えのメリット】
- 部屋が明るくなる
汚れた障子では部屋が薄暗く感じますが、張り替えれば部屋全体が明るくすがすがしい雰囲気になります。 - 断熱性が上がる
穴が開いたり破れたりした障子では、断熱効果が半減します。張り替えることで、冬の冷気や夏の暑さを防いでくれます。 - お好みの機能を持つ素材を選べる
破れにくく水拭きできるなど機能性を求めた素材を選択できます。 - 室内の雰囲気を一新できる
障子紙は白だけでなく、さまざまな色柄が揃っています。お部屋の用途や好みに合わせて選択することで、手軽に魅力的な空間が演出できます。
ここからは、どのような状態になれば張替えが必要なのか、タイミングや張替えサインを紹介します。
使用年数で判断
障子の張替えタイミングの目安は。2〜5年です。しかし、障子紙の種類や日当たり、利用状況によっても大きく変わります。
障子の状態で判断
障子が下記の状態になれば張替えの検討が必要です。
- 障子紙が破れた
- シミが目立つ
- カビが出てきた
- 黄ばみが目立つ
- たるみがでてきた
障子の張替えはDIYより専門店がおすすめの理由
【障子の張替えのDIYと専門店のメリット・デメリット】
DIY | 専門店 | |
特徴 | ・道具や素材を自分自身で揃えて張替えを行う | ・プロにすべてお任せでき、仕上がりも綺麗 |
メリット | ・費用が安い | ・プロが最適な障子紙を提案してもらえる ・基本的に失敗することがない ・保証制度がある(※お店による) ・無料で建て付け調整してくれる(※お店による) | ・手間や時間をかけずにきれいに張り替えられる
デメリット | ・専門店に依頼するほどきれいにできない可能性 ・失敗するとやり直しで時間や費用がかかる | ・手間と時間がかかる・悪徳業者も存在する | ・費用がかかる
障子の張替えを、DIYで行うことは可能です。しかし、一見簡単そうにみえますが、実際にやってみるとしわやたるみができやすく、きれいに仕上げるには技術と経験が必要です。
一方専門業者は、熟練の技術と専門の道具を使って美しくスピーディに張替えを行えます。
DIYで費用を抑えようと思ったのに、道具を揃えたり、慣れない作業で時間や手間がかかったりしてそれほどコストダウンにはならない可能性も。
失敗してやり直す必要が出てくればなおさらです。
障子の張替えは、「プロに任せて手間をかけずにきれいな仕上がり」をおすすめします。
障子紙の種類
障子紙の種類と特徴を紹介します。それぞれの特徴から、ご希望の素材選びの参考にしてください。
【障子紙の種類と特徴】
障子紙の種類 | 特徴 |
「楮紙」 →原材料として楮を40%以上含む 「楮入和紙」 →原材料として楮が20%以上40%未満 | 手すき和紙 天然繊維の楮(こうぞ)を主原料に職人が手作業ですきあげた和紙産地や職人により個性がある手すき和紙は、量産できずコスト大のため高価格繊維が長いため耐久性が高い(5~10年)独特の風合いがある |
(機械すき和紙) | パルプ障子紙パルプ80%以上の量産紙繊維が短く劣化が速い日光で黄ばみやすい破れやすく毎年張替えがおすすめホームセンターなどで安価 |
(機械すき和紙) | レーヨン障子紙主原料はパルプ長繊維のレーヨンを40%以上含有レーヨンは光沢や強度が楮に似ている湿気による伸縮が少なく丈夫で実用的静電気が起きやすく汚れやすい1~2年での張替えがおすすめ |
ワーロンシート | 和紙を塩化ビニール樹脂でラミネート優れた耐久性防炎製品認定品水拭き可能でお手入れ簡単 |
ワーロンPETシート | 和紙をPET樹脂でラミネート低伸縮でたるみにくいペットの引っ掻き対策におすすめ水拭き可能でお手入れ簡単 |
タフトップ | 和紙の風合いの強化障子紙水濡れに強い破裂強度(突き破る抵抗力)が障子紙の約5倍で子どものいたずらにも安心汚れにくいしわになりにくい |
おすすめ障子紙
【手すき和紙】
楮100%の手すき和紙は、機械すきのものとは違う天然素材独特の風合いがあります。
和紙の調湿効果やフィルター効果もあり、機械すき和紙と比べ非常に丈夫で長持ちです。
【ワーロンシート】
ワーロンシートは、和紙を塩化ビニールシートでラミネートしたもの。
破れにくく、日光による劣化にも強いので黄ばみにくく美しさを長く保てます。
一般的な障子紙と比べて寿命が長く、5年から使用状況によっては20年ほど持つことも。
【ワーロンPETシート】
ワーロンPETシートは、和紙をPET樹脂でラミネートしたものです。破れにくく、ワーロンシート0.2mmの約3倍の強さがあり、衝撃に強くペットの引っ掻き対策にも利用できます。
水拭きできるので、お手入れも簡単。
障子のお手入れ方法
障子をこまめにお手入れすることで、機能や美観を維持し長持ちさせられます。
ここからは、障子のお手入れ法を紹介していきます。
【障子のお手入れ方法】
- はたきを使い全体のほこりを払う(週1回)
柔らかいはたきで障子全体を上から下に優しくほこりを払います。
掃除機を使うと障子紙が破れる恐れがあるため使用は避け、下にたまったほこりの掃除に使う程度にとどめましょう。
鴨居(かもい)やその上の長押(なげし)にほこりがたまると下に落ちてくるので、忘れずに掃除します。
敷居にたまったほこりは、障子の滑りを悪くするのでこまめに掃除機で取り除きます。 - ブラシや雑巾で桟のほこりをとる(週1回)
桟にたまったほこりは、柔らかいブラシで払うか乾いた柔らかい布で拭き取ります。 - 汚れが気になるときにさっとお掃除
引き手は薄めた中性洗剤で、引き手やその周辺は、中性洗剤を水で薄めたものを雑巾に浸して硬く絞り優しく拭き取ります。その後、洗剤分が残らないように硬く絞った雑巾で水拭きし、乾拭きして仕上げます。
障子の汚れの原因は、多くがほこりやカビによるものです。ほこりは、定期的なお手入れで防げます。
放置すると、ほこりと水分が一緒になって障子紙に付着しシミの原因になるのです。
カビは、湿気が原因です。もともと和紙の障子紙には調湿性があり余分な湿気を吸収してくれます。部屋を閉め切っていると、湿度が高くなりすぎてカビの原因になります。とくに窓側の障子の場合、窓の結露が原因になることが多いです。
こまめに結露を拭き取り、換気を行いましょう。
障子の張替えは専門店にお任せ!素材を選んで明るく快適な空間づくりを
障子は、日本の伝統的な建具です。間仕切りとしての役割だけでなく、調湿性、断熱性、採光性、目隠し効果など、さまざまな機能を備えています。(選択する障子紙の素材により、機能性が変わりますのでご注意ください。)さらに、色柄物の障子紙で室内の雰囲気を変えることも可能です。
しかし、そんな障子も汚れたり破れたりしたままではその魅力を十分に生かせません。
そこでご紹介したような「張替えタイミングやサイン」を参考に、新しい障子に張り替えることをおすすめします。専門店に依頼すれば、ご希望の機能を持つ障子に手間をかけずにスピーディに張替えられます。
明るく快適な空間を保つために、ぜひ障子の張替えをご検討されませんか。