最近はだんだんと春らしい気候になり、晴れた日は汗ばむくらい気温が高い日もやってきました。
これから本格的に暑くなると大活躍するのが「網戸」です。
網戸は、家の換気や通気性をよくしながら、虫などが室内へ入ってくるのを防ぐために防虫網を張った建具のひとつで、一般的住宅・マンション・アパート・ビルなどどの建物にもつけられてる建具になります。
遠い昔、網戸というものが存在していなかった頃は、虫の侵入を防ぐ帳(とばり)=「蚊帳(かや)」が使われており、奈良時代より前に中国から伝えられたとされています。当時、蚊帳は高級品であったため、戦国時代では位の高い貴族の間で使われていましたが、江戸時代の後半にようやく一般庶民の間にも広まったと言われています。
網戸が初めて製造されたのは1600年代のドイツと言われており、現代の網戸とは異なる「金属製の網」のような形をしていて、この金属製の網が今私たちがよく目にする網戸の原型になったとされています。ちなみに、日本では昭和30年代ごろに一般家庭で普及しはじめ、約50年の時を経て今に至ります。
本格的な夏を迎える前に網戸が劣化して穴が空いていたり、たるんでいたら今のうちに網戸を張替え、暑くなると同時にでてくる「虫」の侵入を網戸でしっかり防ぎたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
また、網戸を張り替えたばかりで網戸に穴も空いていないし、フレームも歪んでいない(隙間もない)のになぜか虫が入ってきてしまうのでどうにかしたいと最近も何件かお問い合わせをいただきました。
この記事では、「網戸をしているのになぜ虫が入ってくるのか?」
その原因や虫の侵入を防げる網戸やグッズのご紹介をしていきます。
この夏に向けて網戸の防虫対策や張り替えを考えている方はぜひ参考にしてみてください。
網戸を閉めているのになぜ虫が入ってくるのか?
網戸を閉めているのに、「なぜ虫が入ってきているのか?」その原因と具体的に挙げましたのでご確認ください。
可能性① 劣化した網戸を使っている
網戸は長年使用していると、経年劣化します。
破れて穴が開いていたり、網目が広がって大きくなっていたりすると、そこから虫が侵入してくる場合があります。また、網戸の枠のサイドについている毛状のモヘアという部分が劣化している場合もすき間ができるため、虫が入ってきてしまいます。
また、ペットが網戸を引っ掻いたり、お子様が網戸に寄りかかったり、ぶつかったりしてしまった時に網戸が破けてしまったり、広がってしまい虫が侵入しやすい状態に波度がなってしまうということも考えられます。
このような劣化や破損がみられる場合は、網戸の交換をおすすめします。
可能性② 網戸の網目よりも虫のサイズが小さい
網戸を閉めていても虫が入ってきてしまう原因のひとつに、網戸の網目よりも虫のサイズが小さい、ということがあります。
通常、網戸は1.15㎜四方のメッシュが一般的です。
代表的な虫の例を挙げると、「コバエ」や「イエバエ」ですが、これらは体長が1㎝弱なので通常の網戸には侵入できません。
ところが、体長が1㎜以下の虫も存在するので、これらは1.5㎜のメッシュを通り抜けて侵入してきます。なので、現在ご自宅にある網戸を閉めていても虫が入ってくる場合、網目の大きさを一度確認してみることをオススメします。
可能性③ 網戸を正しい位置で設置できていない
網戸の劣化もなく、網目の小さい網戸を使用しているのに虫が入ってくる場合は、網戸を正しく取り付けられていない可能性があります。
これは、自宅の網戸の張り替えを自分で行った際に起こりやすいパターンになります。
網戸のレールに網戸が正確に設置できていなかったり、網戸の向きが反対になっていたりすることが考えられます。網戸には正しい向きがあるので取り付けを間違えてしまうと、網戸本来の役割を果たせなくなりますのでご注意下さい。
やはり、このようなことが起こらないよう網戸の張り替えや取り付け作業は、網戸の張り替え専門店にご相談・ご依頼することをオススメします。
可能性④ 網戸から虫が入ってくるその他の原因
上記のことを踏まえ、網戸をしっかり閉めていても虫が入ってくる場合は、窓を開け閉めしている際に虫が侵入しているケースも考えられます。
例えば、普段ベランダで洗濯物を干している方は、ベランダの窓を開けた際に虫が家の中に侵入してきてしまっているということです。
また、換気をする際に窓を全開にすると風が入り過ぎてしまうので、網戸をせずに窓を半開きにして換気をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。窓を半開きにするときは、網戸をして正しい開け方にしていないと虫が窓のすき間から入ってくる可能性があります。
そして、虫が侵入してくる場所は窓だけではなく玄関などのドアを開閉する際、近くにいた虫がドアからちょうど入ってきてしまうというパターンも考えられます。
あるいは、外から家に帰ってくる際に服に虫がついていたという場合もあります。このようなことを防ぐためには、帰宅時は玄関に入る前に一度服やカバンなどを払うと解決につながります。
虫の侵入を防ぐ網戸の特徴
こちらでは、網戸の特徴について解説していきます。網戸は虫の侵入を防ぐ役割があるほか、さまざまな特徴があります。
メリット | ・子供やペットの安全を守る ・家の中に風の通り道を作る→カビや湿気を防ぐ ・電気代の節約にもつながる | ・虫の侵入を防ぐ
デメリット | ・紫外線に当たる場所に設置すると徐々に劣化してくる ・網戸にすることで外の音が聞こえやすくなる、または家の中の音が外に聞こえやすくなる ・動物などが網戸の存在を忘れぶつかってしまう恐れがある ・開けておくと空き巣の侵入経路になることもある | ・メッシュが細かすぎると風通しが悪くなる
素材 | ・ポリプロピレン(一般的な網戸によく使用されている) ・ポリエステル(ペットの引っかきに最適) ・グラスファイバー(タバコの火でも穴が開かない) ・ステンレス(丈夫かつ汚れにくい) | ・サランネット(一般的な網戸によく使用されている)
張り替えの目安 | 素材により大きく変わるが、安価なものであれば一般的に5年(ただし、破れや汚れがあればすぐ張り替える) |
メッシュ | 18・20・24・30・40 |
サイズ | ・中サイズ 巾900×丈401~600㎜以内 ・小サイズ (天袋サイズ)巾900×400㎜以内 ・幅広サイズ 巾901~1500×丈2100㎜以内 ・丈長サイズ 巾900×丈1851~2100㎜以内 ・幅広丈長サイズ 巾901~1500×1851~2100㎜以内 | ・大サイズ(基本的なサイズ)巾900×601~1850㎜以内
諸注意 | ・賃貸住宅、団地、特注サッシ、下レールのない窓などには網戸が取り付けられない場合があります |
虫が入ってこない網戸5選のご紹介
網戸の網目の大きさは「メッシュ」で表示されます。
こちらでは、虫が入ってこない網戸を虫の大きさと一緒に解説していきます。
網目サイズ『18メッシュ』の網戸
18メッシュの網戸は、一般的に使われることが多いサイズです。
網目は約1.15㎜でコバエはもちろん、蚊も通り抜けることができません。網目は細かくとも風通しが良いので使いやすいサイズだと言えます。
網目サイズ『20メッシュ』の網戸
網目のサイズが20メッシュも、一般的な網目の細かさの網戸です。
こちらは網目が1.03㎜と18メッシュよりさらに細かく、小さな虫の侵入を防ぎ、風通しも良いタイプの網戸です。
網目サイズ『24メッシュ』の網戸
24メッシュの網戸は、18メッシュの網戸の2倍の細かさの網目になります。
網目の大きさは0.84㎜なので体長1㎜以下のサイズの虫も侵入不可能です。このサイズは防虫対策と風通しがバランスよく取れたタイプの網戸です。
網目サイズ『30メッシュ』の網戸
30メッシュの網戸は網目が0.67㎜とさらに細かくなります。なので完全に虫の侵入を防ぐことができます。しかし、網目が細かすぎるため風通しが悪くなってしまう、というデメリットもあります。
網目サイズが30メッシュよりも細かいものもあり、虫が入ってくる心配はないですがその分風通しが悪くなります。なので網目は細かければ細かいほどいい、ということでもありません。
虫の侵入を防ぎつつ、風通しも良くしたい方は18〜24メッシュの中から網戸を選ぶことをおすすめします。
防虫剤がしみ込んでいる網戸
虫を寄せ付けない手段として、網戸そのものに防虫剤がしみ込んでいるものを使うことも家に虫を侵入させない手段のひとつになります。
以下「虫のイヤがる網」は、一般的な20メッシュの網に防虫剤がしみ込ませてある網戸になります。虫そのものを殺す効果はなく、虫が嫌がって自分から逃げていく成分なので虫の死がいも残らず、風通しも良い画期的な網戸になります。
染み込んだ薬剤は、長い期間をかけて少しずつしみ出していくので、効果は約5〜7年間続き、薬剤は揮発や蒸発はしないのでコスパ面でも優秀な製品と言えます。そして5~7年たったあとでも通常の防虫ネットとしても引き続き使用できます。
また、モヘアの交換も虫の侵入を防ぐのに有効です。
網戸のモヘアとは、網戸の枠のサイドについているすき間を埋める部材になります。毛状のタイプのものが多く、網戸とサッシのすき間をなくすことで虫が入ってこないようにする役割があります。
モヘアの毛がすり減っていたり、触ったときに毛が抜けるようであれば交換をおすすめします。モヘアは単体で交換が可能で、1m単位で購入できるお店もあります。お店によってさまざまな種類がありますので、交換したい網戸のすき間に適したモヘアを選択する必要があります。
網戸にプラスで使いたい虫よけグッズのご紹介
ここからは、網戸にプラスで使うとより効果的に虫の侵入を防ぐことのできるグッズのご紹介をします。
アース虫よけネットEX 網戸用
こちらは、アース製薬の虫よけの中で売上がNO.1の網戸に貼るタイプの虫よけ。
ネット状なので簡単に貼ることができ、世界唯一の虫よけトリプル処方で最後まで効果を発揮します。
邪魔にならず、風が吹いても落ちにくく、雨にぬれても大丈夫なところも優秀なポイントです。
虫こないアースあみ戸・窓ガラスに
こちらもアース製薬から販売されている虫よけスプレーになります。
網戸だけでなく、窓ガラスにも噴射できます。
ワイド噴射で網戸全体にスプレーしやすく、虫よけ効果はなんと約4ヵ月続きます。
網戸約40枚に使える量でコスパがいいところも嬉しいです。
紙で作ったハッカの虫よけ 網戸用
こちらは紙でできたハッカの虫よけ。
虫はハッカのニオイを嫌うので、網戸に貼るだけでユスリカやコバエの侵入を防ぎます。
取り外しができる面ファスナー仕様なので便利なタイプです。紙ですが、雨にぬれても大丈夫な処方なので雨の日でも安心です。
網戸キット 虫よけネット 防虫ネット
こちらは高密度メッシュで、どんな小さな虫の侵入も抜群に防ぐ窓枠に設置するタイプのネット。
窓を閉めなくてもこちらを設置しておけば、虫が入ってくるのを気にせず換気ができます。
ご自宅の窓枠のサイズに合わせてカットができ、取り付けも工事不要なので本物の網戸を作るよりお金も手間もかかりません。
耐久性も良く、汚れたら丸洗いできるところもおすすめしたいポイントです。
網戸の張り替えを専門店に依頼するメリット
網戸の張り替えを、DIYで済ませようと思っていらっしゃる方も多くいると思います。
こちらでは、網戸の張り替えは専門業者を依頼するのがおすすめな理由を簡単にご紹介していきます。
網戸の張り替えを専門店に依頼する理由は、以下になります。
- プロならではのキレイで正確な仕上がり
- コストパフォーマンスが良い
- 適切な網戸を選んでもらえる
- サッシの修理も同時にできる
- 作業の手間や時間が省ける
- 道具を用意する必要がない
- プロの目でないとわからない部分(破れ・汚れなど)に気づいてもらえる
- 作業スペースを設けなくていい
まとめ
今回は網戸を閉めていてもなぜ虫が部屋に入ってくるのかという理由や、虫が入ってこない網戸の特徴、網戸にプラスで使うとより効果があるグッズ、張り替えは専門店がおすすめな理由などをご紹介しました。
網戸から虫が入ってこない網戸は、メッシュが細かければ細かいほど虫の侵入を防げますが、通気性が悪くなるというデメリットもあります。
快適な通気性としっかりと虫よけをするため18〜24メッシュの中から網戸を選び、プラスでご紹介したような防虫グッズを使ってみてください。
また、網戸の張り替えは一般的に5年〜10年程度と言われていますが、網戸の素材や網戸の設置されている環境、その時の網戸の状態によりますので、少しでも破れ・穴あき・汚れ・たるみなどが見られたら場合は、網戸の張り替えをおすすめします。その際はDIYで張り替えるより、網戸の張り替え専門店にお任せすることをおススメします。
本格的に網戸を使う季節がくる前に、是非ご自宅に適した網戸を選び、虫が部屋に入ってこない快適な夏をお過ごしください。