襖縁(ふすまふち)とは?
襖縁とは襖(ふすま)の外側を囲んでいる縁のことを指します。
襖縁には襖の強度を増すだけでなく、襖を開閉する際に手で襖紙を汚さないようにする効果もあります。
襖縁ってどんなもの?
襖縁は機能面だけでなく、襖の美しさを引き立てるための装飾効果もあります。
現在の主流となっているのは木製の縁ですが、高価なものになるとヒノキの木材に漆を塗布した「漆塗縁(うるしぬりぶち)」など、数十万円で販売されているものまであります。
襖縁の種類とサイズは?
襖縁には、木目を残した木製の「木地縁・生地縁(きじぶち)」と、襖縁の材木に塗装をした「塗り縁(ぬりぶち)」があります。
また、襖縁には縁ごとにそれぞれ呼称があり、襖の縦に使われる縁を「縦桟(たてざん)」、横に使われる縁を「横桟(よこざん)」と呼びます。
襖縁の呼称を表にしてわかりやすく纏めしました。
呼称 | 説明 | 寸法 |
マス | 襖の引手側の縦桟(たてざん) | 6分5厘(約19mm)×6分5厘 |
出合(であい) | 襖襖が前後に重なる部分 | 6分5厘×7分5厘、6分5厘×8分5厘 |
召(めし) | 襖を閉めた時に2本の縦桟(たてざん)が合わさる部分 | 6分5厘×6分5厘 |
上桟(かみざん) | 襖の上部に使用する横桟(よこざん) | 正面から見た太さが約1寸(約30mm) |
下桟(しもざん) | 襖の下部に使用する横桟(よこざん) | 正面から見た太さが約8分(約24mm) |
襖縁の種類ごとの特徴
先程もご説明したように、襖縁は現在使用されているもののほとんどが木製になっています。
木製の襖縁は、大きく分けて「木地縁・生地縁(きじぶち)」と「塗り縁(ぬりぶち)」の2種類です。
ここからはそれぞれの特徴を紹介していきます。
木地縁・生地縁(きじぶち)の特徴
木地縁は木目を残した襖縁のことです。木の温もりを感じられるデザインが周囲となじみ、近年では大半の襖縁に生地縁が使用されています。
素材には檜(ひのき)、ひば、たも、栗、赤身杉柾(すぎまさ)などの木材が主に用いられています。
塗り縁(ぬりぶち)の特徴
塗り縁は襖縁の材木に塗装がされたものです。
塗料として使用されるのは、漆、カシュー、ラッカーなど。現在の主流はカシューとなっています。
襖縁を交換するベストなタイミングはいつ?
襖縁の劣化の進みかたは、使用頻度や使用環境によって大きく差が出ます。
経年劣化で傷んだときや割れてしまったときには、交換するタイミングだと言えるでしょう。
また、襖の張り替えはいつの時期でもできますが、襖を張り替えるのに適したベストな季節もあり、それは梅雨時期や夏の雨の日など、湿気の多いときです。
なぜなら、襖は湿気によって伸びる性質があるため、乾燥している冬場に張り替えると、湿度が高い日に襖紙が伸びてシワがよったり浮き上がってしまうことがあるからです。
一般的な襖縁の交換の目安
襖の張り替え時期は、基本的に10年と言われています。したがって襖縁も10年を目安に交換を検討すると良いでしょう。
襖紙を張り替えるタイミングで、襖縁も一緒に交換をしてしまうのがおすすめです。
襖縁の種類ごとの選び方は?
襖縁の種類や色を変えるだけでも、襖全体の印象や部屋の雰囲気はガラッと変わります。
ここでは襖縁の種類と選び方を紹介します。
木地縁・生地縁(きじぶち)の選び方
シンプルさを求めるなら、木目の素材を活かした生地縁がおすすめです。価格も塗り縁と比べて比較的安価に交換できます。
近年は、木地縁・生地縁のなかでも特に細縁が最も人気のデザインとなっています。
塗り縁の選び方
塗り縁は汚れがつきにくく耐久性が高いのが特徴です。
なかでも天然漆を使ったものは、塗り縁の中でも最高級品で最も耐久性に優れていますが値も張ります。
そこで現在最も主流になっている塗料は、カシューナッツから採取される油を原料にした「カシュー塗り」で、価格を抑えた漆(うるし)の代用として多く用いられています。
襖の縁の交換は自分でできる?
襖縁は、自分で交換できるものとできないものがあります。
しかし、交換できる襖かどうかは種類を見分けなければならないため、DIYで修理するにはある程度の知識が必要です。
自分で襖縁の交換ができる襖は「本襖」で、枠を外して交換することができます。
一方で戸襖には組子にベニヤ板が貼り付けられていて、襖縁だけを外すことができないため、丸ごと交換が必要になります。
本襖と戸襖以外には、ダンボール襖や発泡スチロール襖がありますが、これら2つも修理が難しいため、襖そのものを交換するかプロに依頼が必要です。
DIYで襖縁の交換をする方法は?
襖縁をDIYで直す場合「本襖」であれば自分で交換することができます。
【必要な道具】
- 金づち
- 木工用ボンド
- 木ネジ、電動ドライバー、クランプなどの固定具
上記の道具は全てホームセンターで揃えられます。
【交換方法】
- 襖の外枠を外す
- 引手と襖紙も外す
- 骨組みが割れていたら木工用ボンドで接着し、クランプで固定する
- 木工用ボンドが乾いたら、襖紙を貼る
- 引手と外枠を戻す
交換手順は簡単に書くとこの手順で作業は完了になります。
概要にはありますが、詳細な交換方法や注意点などをこちらに書くと工程が多くなり、且つ熟練の経験やコツが必要となるため、素人には襖縁の交換は少し大変な作業となるかもしれません。
もしも襖縁の損傷が激しい場合には、無理に自力で直そうとせず私たちのような専門家にまずはご相談してお見積りを依頼するのが良いと思います。
綺麗に襖縁を交換して仕上げたいなら襖屋さんに依頼する一択!
襖縁の交換は工程が多く、慣れない素人にはかなり大変な作業となります。
また、思っていたよりも縁の損傷が激しい場合や、襖紙をうまく貼れずに張り直しになる可能性も大いにあります。
そう言ったリスクをゼロにして綺麗な仕上がりを期待するには、プロに任せるのが最もおすすめと言えます。
襖屋さんに襖の縁だけの交換を依頼できる?
襖の専門業者では、襖の縁だけを交換することも可能です。
縁の交換にかかる費用は1本2000円〜3000円程度で、襖縁の種類によって費用は前後します。
しかし、襖縁が傷んで交換する時期になると、骨組みが歪んでいたり他の箇所も同時に傷んでいることが多くあります。一度私たちのような張り替え専門店に襖全体の具合を確認いただき、必要に応じて他の箇所も修理をしていくのがベストな襖のメンテナンスとなるでしょう。
専門家の目で確認してもらい、襖を交換する必要があるかも含め適切な診断・丁寧な説明を受けて納得のいく襖交換をしていただければと思います。
襖の張り替えや修理にかかる費用は?
襖の交換や修理をする際に、何より気になるのはその費用ではないでしょうか。
襖の交換費用は、DIYか業者に依頼するかで大きく変わってきます。ここでは、DIYと専門業者に依頼した場合のそれぞれの費用を紹介していきます。
費用の目安
襖をDIYで修理する場合には、かかる費用は材料費のみで2,000円〜3,000円程度です。その費用のほとんどは襖紙の金額となるため、選ぶ襖紙の種類などによって費用は大きく前後します。
しかし、襖縁の歪みや骨組みが変形してしまっていたり、引手が壊れてしまっている場合などには自分で修復するのが大変難しいため、私たちのような襖張り替え専門店に依頼したほうが無難と言えます。
襖張り替え専門店に依頼した場合でも、料金相場は2,000円〜30,000円程度です。こちらも選ぶ襖紙の素材などによって大きく費用が異なります。
しかしながら、最低金額は、素人の方がDIYで行う値段とほぼ変わりません。
予算に合わせた襖の張り替えの工夫や節約のポイントをご紹介
低予算で襖の修理をするなら、材料費のみで修理ができるDIYが経済的です。
ただし、襖を張り替える作業は、素人にとってはかなり時間も手間もかかる作業になります。また、襖の種類によっては自分で張り替えができないものもあるので、襖の種類を見極めなければなりません。
修理にかかる時間と手間、失敗のリスクを考えれば、私たちのような襖張り替え専門店に依頼するのをお勧めいたします。
襖張り替え専門店や業者に張り替えや修理の依頼する際には、料金や作業内容が明確で、襖の種類を選択できる業者、アフターフォローや品質保証をしてくれるとこを選ぶことおすすめします。
何か襖に関してわからないことがありましたら、是非私たち『家美装(いえびそう)』までご連絡ください。
まとめ
今回は、襖縁の呼称や特徴・種類のご紹介と襖縁の修理や交換時期、費用目安についてお話しさせていただきました。
襖の外側を囲う襖縁は、本襖であればDIYで修理することが可能ですが、戸襖やダンボール襖などの場合には襖縁を外せないため交換が必要になります。
とはいえ、襖縁が傷んで修理が必要な場合には、襖の他の箇所にも傷みが出ている可能性が高いので、総合的に修理ができる襖の張り替え専門の業者に依頼するのをおすすめいたします。
何か襖に関してわからないことがありましたら、是非私たち『家美装(いえびそう)』までご連絡ください。
襖以外にも、障子・畳・網戸・クロスの張り替え、そしてお家のリフォームまで当社で行なっておりますので、張り替えやリフォームに関して何かわからないことがあれば是非お気軽にお問い合わせください。